奈良市のごみ分別は、全体としてとても丁寧に作られていると感じます。紙の「ごみ分別辞典」も毎年配布され、アプリも用意されています。
ただ、実際に暮らしている中で、「これ、市民が日常で迷わず使える設計になっているだろうか?」と、少し引っかかる場面がありました。
今日この記事で書くのは、不満というより、実用の中で感じた一市民目線での小さなモヤモヤです。
奈良市のごみ分別は、かなり細かく丁寧に設計されている

奈良市は、分別の基準が比較的細かい自治体だと思います。
びん一つ取っても、
- 空きびん(食料・飲料用)
- 油(食用)の容器(缶・びん)
- 花びん
- 薬びん
- 化粧品のびん
- 酒びん
- 哺乳びん
- びんのふた
- 割れた飲料用のびん
と、用途や状態によって分けられています。
ごみ分別ホームページ「ごみサク」やスマートフォンの「ごみ分別アプリ」で「びん」や「ガラス」と検索すると、該当する項目が一覧で表示され、内容としてはとても分かりやすいです。
実際、迷ったときに調べると助かる場面も多くあります。
紙の分別辞典とアプリ、情報が分かれていることへの違和感
一方で、気になるのは「情報の受け取り方」に差があることです。
奈良市では、紙の分別辞典が毎年全戸配布されます。
ただ、高齢の方を中心に、
- 紙の辞典だけを見ている
- アプリの存在を知らない
- スマートフォンは持っていても、アプリは使っていない
という人も多いのではないかと思います。
分別ルールは、処理場の事情などに合わせて更新されることがありますが、その変更点が、すべての人にきちんと伝わっているかというと、正直、少し不安を感じます。(これは紙・アプリ問わずですが)
ルールが変わること自体は仕方のないこととして、その変化をどう共有していくのが現実的なのかは、もう少し考えてもいいのではないでしょうか。
というのも、奈良市ではごみ処理施設の老朽化が進んでおり、処理能力の面でも課題を抱えていると聞きます。
新しい施設がすぐに整備できるわけではなく、実際には完成までにまだかなりの年数がかかるはずです。
だからこそ、
今ある施設にできるだけ負担をかけず、長く使っていくためにも、分別をより正確に行える環境を整えることは、市の財政面から見ても大切なのではないか
と感じます。
分別が適切に行われれば、回収後の選別作業や処理工程の負担が減り、結果的に、他市や民間業者への委託コストの抑制にもつながるはずです。
市民一人ひとりの分別は小さな行動ですが、それを支える仕組みが整えば、既存の施設を守り、将来の負担を軽くすることにもつながる。
そんな視点で、分別の「伝え方」や「仕組み」を見直していけたらいいのではないかと思います。
分別ミスは「守らない人」の問題だけではない
分別が間違っていると、「ルールを守っていない人が悪い」という見方になりがちです。
でも実際には、
- 調べても判断に自信が持てない
- 紙では見つけにくい
- アプリがあること自体を知らない
といった理由で、
「多分ここかな?」と出してしまう人も多いのではないでしょうか。
わざわざ電話やメールで問い合わせる人は、まだ良い方で、
分からなかった場合、聞かずに出してしまう人の方が多い
ように感じます。
これはモラルの問題というより、情報にたどり着きにくい構造の問題だと思います。
また、先ほども触れましたが、捨て方が変わっても従来からの「これで正しい」という思いこみを持つ市民も多いように感じます。
たとえば「プラスチックごみ」というもの。
公式ページには、プラごみとして回収できないものについて下記の表記がありました。
- プラマークがついていないプラスチック製品
- 油のボトルは、燃やせるごみに出してください。
- プラスチック製品と図 回収できない物他の材質が混じっているもの(鉄や木など)、おもちゃなどは、大型ごみまたは持込ごみ(大きな物)、もしくは、燃やせないごみ(小さな物)で申し込んでください。
- ごみ袋全体を新聞やチラシで見えなくしたごみ袋や黒色のごみ袋など、ごみを判別できないごみ袋や分別を確認できないごみ袋は収集できない場合があります。
また公式アプリのごみの出し方のところには、注意事項として
- 納豆の容器(プラマークあり)やチューブ製容器(プラマークあり)についても、「プラスチック製容器包装」に出してください。
- 中身を使い切り、汚れ等が付着している場合、洗ったり、ゆすいだり、ふき取ったりして汚れを落としてください。多少のぬめり気が残ってもプラスチック製容器包装で出してください。
などと書かれています。
どれだけの市民が、この点に気づいてきちんと分類できれているのでしょうか。ちなみにPPバンド(包装バンド)はプラスチックに見えますが燃やせるゴミだそうです。
私は最近まで、お菓子の油分がついているプラゴミは再生できないから燃やせるゴミと思っていました。
特に県外から引っ越してきた人にとっては分かりにくいでしょうし、10年以上奈良市で暮らして分別も頑張ってるほうと自覚する私も、いまだにそうだったの?という分別に出会います。
長年奈良市に住んでいる市民も逆に自分の出し方は正しいと思い込んでいるということもあるのでは。
現場でどれほどこの分別ミスの影響があるのかは素人の私には分かりませんが、
もう少し基本である燃えるゴミ・プラスチックごみの定義をしっかりとみんなに分かりやすいように、改めて提示する方法を考えてもよいのではないかな、と思いました。
市の窓口対応の負担軽減にもつながるのでは
おそらく、市のごみ担当窓口には、
「これは何ごみですか?」
「どこに出せばいいですか?」
といった問い合わせが、日々かなり寄せられているのではないでしょうか。
せっかく便利な分別アプリがあるのなら、窓口に寄せられた質問を、そのままアプリに反映していく
という形も考えられるのではないかと思いました。
たとえば、
- 検索結果の備考欄に
「○○の場合は△△に出してください」と質問があったたびに補足を追加する - よくある質問をアプリ内で蓄積していく
そうすれば、
- 市民は調べやすくなる
- 分別精度が上がる
- 問い合わせ対応の負担も減る
という、良い循環が生まれるのではないでしょうか?
今でもされているようですが、もっとニッチで細かい市民の疑問までたくさん情報を追加してキーワード検索で引っかかるようにすると精度が上がっていくのでは、と素人ながらに思いました。
分別を細かくするなら、「伝え方」も一緒に更新したい
ごみ処理施設の負担を減らすため、分別を細かくすること自体はとても大切だと思います。
ただその分、年齢やITリテラシーに関係なく、正しく分別できる仕組みがより重要になってくるように感じます。
すでに良いツールが用意されているからこそ、それを「どう使ってもらうか」「どう育てていくか」に
もう一歩踏み込めたら、とても良くなるのではないでしょうか。
市民として感じたことを、記録として残したい
今回書いたのは、強い批判ではありません。
実際に暮らしていて感じた、
「ここが少しもったいない」「もう少し楽になりそう」
という実感です。
もし、こうした市民目線の声が、どこかで改善のヒントとして役立つことがあれば嬉しいなと思います。
奈良市が、これからも無理なく、続いていく仕組みを作っていくために。一市民として感じたことを、記録として残しておきます。
