蝶々ってきれいですよね。私は虫が苦手ですが蝶を見るのは昔から好きです。我が家には小さなレモンの木があるのですが、ナミアゲハがよく卵を産みにきます。
多くの幼虫が生まれ葉っぱを食べて青虫になりますが、無事蛹(さなぎ)になり羽化するのはわずか。2022年度、ようやく1匹の幼虫を羽化するまで見守ることができました。その様子をお届けします。
※写真多めでお届けします。イモムシの画像があるので、苦手な方は閲覧をお控えくださいm(__)m※
最初は鳥のフンに擬態
成虫のナミアゲハは、庭にやってくるとレモンの木に数個卵を産んでいきます。2022年9月。今回も数匹が卵から生まれ、葉っぱを食べ始めていました。
ちなみに卵から幼虫が生まれるまでの期間は約1週間で、誕生が近づくとクリーム色だったのが黒っぽくなっていきます。
生まれたての1齢幼虫は1、2ミリ程度でかなり小さいです。2齢、3齢、4齢幼虫も姿は鳥のフン。脱皮のたびに少しずつ大きな鳥のフンになりました。
脱皮、青虫に
4齢幼虫の脱皮前。葉っぱの上でジーっとしています。脱皮前になると、身体がだんだんと緑色がかってきます。
無事青虫(5齢幼虫)になりました。かわいいです。目玉に見える部分は模様で本当の目は先端にあります。シャクシャクと音を立てて葉っぱを食べる様子がとてもかわいいです。
たくさんの葉を食べて、丸くてコロコロのうんちをたくさんします。
上の写真では2匹の青虫がいますが、数日後1匹は食べられてしまったのか姿を消していました。
レモンの木から脱走、蛹になる場所を決める(前蛹に)
そろそろ蛹(さなぎ)になる時期かもしれない…と思い、夕方庭に出ると、レモンの木から3メートルほど離れた物置の壁の上の方で蛹(さなぎ)になろうとしている幼虫を発見!
大人の頭ぐらいの高さの場所です。糸を頭にかけて、もう身体の固定が終わった状態でした。
幼虫たちは、大体夕方に木を降りることが多いような気がします。
無事に蛹に!(蛹化)
この物置付近はアシダカグモが住んでいるようですし、カマキリもよく見るので無事に蛹になれるか心配でした。
翌朝確認に行くと、無事に蛹化(ようか)していました。順調にいけば、羽化は約2週間後。何事もなく羽化してくれることを願うのみです。
2週間後。そろそろ羽化?
蛹化(ようか)から約1週間後の様子。特に変化は見られません。
蛹化から2週間後の様子。羽化する直前の写真です。羽の模様が透けて見えるのでしょうか、かなり色が黒ずんできています。
待ちに待った羽化!
午前9時半ごろ、再び様子を見に庭に行くともう羽化していました。今回も羽化する様子は見られませんでした。悔しいです!
毎回、8時半から9時の間に羽化することが多いような気がします。羽化はわずか6~7分程度で終わるらしいですが、次回こそ時間に気を付けて羽化の瞬間を見届けたいと思います。
はねを乾かし、水分を輩出する
https://drive.google.com/file/d/13MKf8phMsj-k-JV0FU6S9A4c3HIX10i1/view?usp=sharing
(↑はねを乾かす様子)
2時間ほどは羽化した場所で時々はねを羽ばたかせ、おしりから水分を輩出していました。
その後庭の花壇まで3メートルほど飛び葉にとまり、そのまま同じようにしばらく羽ばたきはねを乾かしているようでした。まだ身体が重く上手に飛ぶことができない感じです。
約3時間後、無事に旅立ち
飛ぶ練習をしているのか、早く乾かそうとしているのか、だんだんと羽ばたくスピードが上がっていきます。
ついに飛びました。まず2メートルほど先にあった植木にとまり、すぐにまた1メートルほどむこうにあった木にとまりました。
そして今度は思いっきり飛び立ち家の前の電柱の上まで飛び、旋回して隣家の屋根のむこうに消えていきました…。
今日から1か月ほどの命。これから寒くなってきますが、大空を羽ばたき蜜を吸い、無事に一生を終えてほしいなと願っています。またお庭にも遊びに来てほしいです。
本年度、羽化できなかった子たち・反省点
本年度は肉食の虫や寄生バチから身を守るために、はじめてレモンの木に網がけをしてみました。3匹の幼虫がネットの中で成長し、このままここで蛹(さなぎ)になってくれれば安全だなあと思って見守っていました。
一匹レモンの木で蛹(さなぎ)になっているのを見つけ、蛹(さなぎ)になればもう大丈夫と思いネットを外しました。ところが、そのネットにくっついてもう一匹蛹(さなぎ)になっていたのです。
それに気が付かずネットを外したため、外す際に蛹(さなぎ)が落下…。拾ってティッシュの上に置いて見守っていました。緑色だったのが、だんだんと色が黒っぽくなっていきました。
やはり衝撃が強すぎたのか、3週間ほど経っても羽化はしませんでした。
もう1匹は網がけをかいくぐりレモンの木から降りて壁で蛹(さなぎ)になっていました。だんだん黒っぽくなってきていたような気がしましたが、ある朝様子を見に行くと、コバエのような羽アリのような虫が大量発生していました。
上にネギを干していたのでそこから発生したのかな?と思っていましたが、何となく気になって調べてみるとやはり寄生バチの「アオムシコバチ」でした…。下記のページを参考にさせていただきました。
アオムシコバチは蛹(さなぎ)になった直後のまだ柔らかい時期に産卵管で体内に卵を産み付けます。そして幼虫の養分を奪い取って成長、蛹(さなぎ)を突き破って誕生するという恐ろしい虫です。
残念ながらこの子は羽化することはできませんでした。
網がけをしていたため、1匹はレモンの木でそのまま蛹(さなぎ)になりました。こちらもいつまで経っても羽化しません。よくよく見てみると、蛹に穴が開いていました。やはりアオムシコバチにやられていたようです…。
今まで蛹(さなぎ)になろうとレモンの木から降りた後、他の昆虫に捕食されたり寄生バチにたかられる様子を見ていたので、安易に網がけしていれば安全だろうとしたのが仇になりました。
そもそも幼虫が危険を冒して生まれた木を降りて蛹(さなぎ)になろうとするのは、天敵であるアオムシコバチに見つからないようにするためらしいのです。
おそらく肉食昆虫に食べられるよりも寄生バチに寄生され死んでしまうほうが圧倒的に多いのでしょう。わざわざ木を降りる理由をもっとしっかり考えて、調べてみるべきでした。
ちなみにアオムシコバチに寄生されるのは、蛹化(ようか)した後すぐが一番多いらしいです。
終わりに
アゲハが成虫になれる確率は、わずか0.6パーセント程度だそうです。我が家でも今年10匹以上の青虫をレモンの木で見ましたが、成虫になれたのは今回の1匹だけでした。
今回したことはひたすら見守るだけ。したことといえば、レモンの木に水やりをしたぐらいです(笑)。飼育とはいえないですが、庭で命の誕生と成長を見守れるというのは貴重な経験だなと思いました。
柑橘系の樹木や山椒の木があれば、ナミアゲハは卵を産んでいきます。葉っぱの量に余裕があれば、駆除せずに見守ってみるのもおすすめです。