若草山焼き2023の結果

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2023年若草山焼きは雪で燃え広がらず。山麓会場から見た当日の様子や花火

強烈寒波到来で怪しい空模様が続いた若草山焼き当日の奈良。中止が危ぶまれましたが、決行されました。我が家は火元に一番近い若草山麓で鑑賞してきました。山焼きの結果とあわせて山麓会場から見た2023年の山焼き・花火や当日会場の様子などをレポートします。

雨や雪の影響で山焼きの炎は燃え広がらず。焼けたのは1割

2023年、山焼きの燃え具合
山麓から見た若草山焼きの様子。

古都奈良に早春の訪れを告げる伝統行事・若草山焼き。毎年1月第4週(土曜)に行われています。山焼きについて詳細は別記事にまとめたのでそちらをご覧ください。

結論から言うと、

今回の若草山焼きは決行したものの、雨天など悪天候が続き草が湿っていた影響で火が燃え広がらず、全体(約33ヘクタール)の1割程度しか燃えませんでした。

中止にはなりませんでしたが、成功したとは言えない結果に終わりました。

山焼き終盤の様子
山焼きの様子、19:23撮影。

それでもコロナ渦以降で通常開催となったのは初めてだったので、山焼きを心待ちにしていたのは私だけではないはず。

天候からしても燃えにくい予想はできたでしょうが、開催決行してくれたことに感謝です!一応燃えたので失敗ではないですしね。

奈良は寒波の影響で悪天候が続き、草が湿っていた

大仏池の雪景色
山焼きの週は珍しく奈良で降雪・積雪が続きました。

奈良は前日夜に雪が降り、積雪。市街地にある我が家の庭にも朝起きたら雪が積もっていました。今日はもしかして中止かな?と心配していましたが、11時前には『山焼き決行』の通知が。

一安心したのも束の間、16時前ぐらいには吹雪くような雪が降り数十分で軽く積雪。その後雪は止み開催時間には星も見えるぐらいの空模様になりましたが、低山とはいえ山の若草山。

山肌には雪が残る
当日の山肌の地面。

観覧スペースになっていた山麓の斜面には雪が多く残り、素人目に見ても「これは燃えないのでは…」という感じでした。(5歳の息子が滑って尻もちをつくほど芝生は雪で凍っていました)

花火終了後の18時半頃、消防団員さんたちの手で山肌に点火がはじまりましたが火が燃え広がる様子はありません。

2023年山焼きの様子

松明を持った団員さんの周りだけが明るいような状況が30分以上続き、そのまま山焼き終了となりました。

奈良は山焼きの一週間ぐらい前から寒波の影響で天候がよくなく、雨や雪がちらつく日も多々。市街地から若草山を見るとずっと雪化粧をしているような状態でした。

気温もずっと低かったので、雪も解けないし草も乾燥しなかったのでしょう。燃えなかったもうなずけます。

もしかしたら後日「焼き直し」もあるかも?

強風のため山頂付近の点火を控えたため今回と同じく1割程度しか焼けなかった2013年の山焼きの際は、後日2月中旬の日中に燃え残った草地を焼き払う「若草山の焼き直し」が行われました。

以下リンク奈良県公式ホームページ、2013年焼き直しの日程資料(参考までに)。

さらに2016年、2018年や2019年にも焼き直しは実施されたよう。

焼き直しは若草山景観に欠かせないススキや芝の育成をはかるためと、入山利用者タバコの不始末などによる火災発生の予防のための措置です。

もしかしたら今年2023年も焼き直しが後日行われるかもしれません。

焼き直しの日は関係者以外入山禁止となるため近くで鑑賞はできませんが、遠目から火が付いているのを鑑賞できるかもしれませんね。(日中にはなりますが)

行ってよかった!山麓会場の様子

今回我が家が若草山焼きを鑑賞したのは、火元に一番近い山麓会場

山麓は少し遠く寒い中行くのが億劫で今まで避けていたのですが、実際行ってみてよかったなと思うところがたくさんあったのでご紹介します。

ふもとからの花火は圧巻!

山麓の打ち上げ花火

18時30分の山焼き開始前の18時15分頃から、約600発の打ち上げ花火が上がりました。冬で空気が澄んでいるのでとても美しかったです!

若草山のふもとから打ち上げ花火を観るのは我が家ははじめてだったのですが、山の上の方から打ち上る様子、山の上に大きく広がる視界を遮るもののない花火は圧巻

鹿のスターマイン
「鹿」のスターマインも打ち上りました。

見事な花火が上がると観客の歓声や拍手があがり、久々のお祭り気分を味わえました。

さらに花火に合わせて「寧楽音素描(ならおとそびょう)」が麓の特設ステージで生演奏。ヴァイオリン、ピアノ、太鼓、篠笛による花火とのシンクロ演奏がムードを盛り上げます。

生演奏と花火のコラボレーションを堪能できるのは、山麓だけの特権です。また花火が上がる中、松明を持って山肌に広がっていく消防団員さんたちの姿もかっこよかったです!

最後の大花火

近年は感染症対策のために多くの花火大会が縮小や中止になっていますよね。それもあり5歳の息子は物心ついてから本格的な打ち上げ花火を間近で観たことはありません。

はじめてとも言える巨大花火鑑賞に夢中な様子でした。

さらに花火終了後、法螺貝(ほらがい)の音が会場に鳴り響き山焼き点火がスタート。法螺貝の音なんてなかなか聴く機会がないので、貴重な経験となりました。もちろん息子も大興奮。

山麓会場は御神火の「大かがり火」が幻想的

大かがり火

若草山焼きで使われる炎(御神火)は、同日飛火野で行われる春日大とんどの炎。

大とんど会場から時代行列により運ばれた御神火は山麓会場、南ゲート側の野上神社でかがり火に点火され祭礼が行われます

大かがり火がきれい

その後山焼き終了まで会場で燃え続けているのですが、そのかがり火の炎がとても大きくてなかなかの迫力。とんど焼き会場の炎のようでした。

興福寺、東大寺、金剛峯寺の僧侶らに見守られるかがり火の炎は神聖で厳かな雰囲気で、ありがたみを感じました。山焼きの炎が燃え広がらなかった分、会場で近くまで行き拝めてよかったなと思います。

寧楽音素描の奉納演奏

山焼きに勢いがなかった分、会場を盛り上げてくれたのが特設ステージの寧楽音素描による山焼き奉納演奏。多くの人が山麓中央のライブステージに集まり鑑賞していました。

5歳の息子も山焼きには早々に飽きて「帰りたい」と言っていたのですが、こちらのステージで生演奏を観出したら演奏に夢中でピタリと動かなくなり、結局最後まで演奏を聴いていました

こういった特別行事の音楽生ライブというと今話題のアーティスト、アイドルなどを集客のために呼ぶことも多いですが、厳かな山焼きの雰囲気を崩さない寧楽音素描を呼ぶのはさすが。

伝統芸能でもクラシックでもない和洋折衷フリースタイルの演奏が、古都奈良の雰囲気にぴったりで、奉納演奏という名前にふさわしい演奏に聴き入ってしまいました。

山麓からの夜景もきれい

若草山ゲート内からの夜景

解放されたゲートを入って山肌を少しのぼっただけで、見える景色はいつもと全く違いました。山上の方を見れば山焼きと大かがり火下を見れば奈良市街地の夜景が眼下に広がります。

なんてぜいたくな光景!と感動。これで山焼きの勢いがすごければもっと最高でしたが、山麓会場ゲート内は最高のビュースポットでした。

若草山麓会場の様子(混雑状況など)

会場前の道路の様子

我が家は花火スタートと同時の18時15分頃山麓会場に到着しましたが、この日だけ特別無料開放されるゲート内(山麓山肌)には既に人がいっぱい、ゲート前の道路沿いにも人がたくさんで屋台も出ていました。

ゲート内の会場は飲食禁止でしたが、ゲート外なら飲食OKだったようです。

ちなみに道路沿いにはお土産店なども多く自動販売機もたくさんありましたが、寒かったのでホットドリンクはほとんど売り切れの状態。次回は保温水筒を持っていこうと思います。(汗)

会場前道路の様子2

広いのもあり人だかりで歩くのも大変といったほどではないですが、当日もかなり冷え込んで天候不順だった割には人が多かったように思えます。外国人観光客の方も久々に多く見かけました。

奈良県発表では、山焼きのために集まった観客は約17万人だったそうです。

会場には多くの警察官や警備員、案内係の方がいて誘導してくれていて安心。ちなみに山麓には北ゲートと南ゲートがありますが、入口は南ゲートのみとなっていました。

18時15分から15分間の花火打ち上げが終わると会場を出て帰路につく人々も多数。今年は山焼きで火が燃え広がらなかったので、会場から人がはけるのは早かったです。

山焼き19時15頃
19:15頃の会場の様子。

我が家は点火後約1時間ふもとの会場にいましたが、最後の方はかなり人も減りまったりとした感じになっていました。

ちなみに帰りは春日野園地横を通って帰りましたが、そちらは人もとても少なく静か。暗い中でも係員の方がきちんと道の誘導をしてくださっていたので安心でした。

まとめ

今年は残念ながら火が山肌を覆いつくす圧巻の光景を見ることはできませんでしたが、久々の制限なし通常開催ということでワクワクするお祭り気分を味わえました。

打ち上げ花火はきれいでしたし、山麓会場を訪れたことで山焼きの雰囲気は存分に楽しむことができました。天候不順にもかかわらず決行してくださったことに感謝です。

また来年の若草山焼きは、きっとさらに盛り上がることでしょう。来年の山焼きの燃え方に期待です!

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