全国各地でとんど焼き行事はあると思いますが、毎年飛火野で開催される「春日の大とんど」は春日大社による神事。
若草山焼きの種火となる春日の大とんどの神聖な御神火にあたれば、神様の力や恵みをいただくことができるという言い伝えがあります。
若草山焼きの日はあわせて春日の大とんど会場を訪れて、無病息災や招福を祈願してみませんか。
2024年春日大社とんど焼き(春日の大とんど)はいつ?
2024年春日大社とんど焼き
- 開催日…2024年(令和6年)1月27日(土)
- 時間…古神符受付9:30~16:30頃(神事は13:00より)
- 場所…春日大社参道横の広場・飛火野(とびひの)
- 荒天時は1月28日(日)10~14時に延期
「春日の大とんど」(かすがのおおとんど)とも言われる春日大社とんど焼き。
飛火野には5メートル四方で高さは3メートルにもなる巨大火炉が設置されます。そこで正月に春日大社に納められた大量の古いお札・お守り・しめ縄飾りなどをお焚き上げ。
通常返納品は春日大社参道の本殿前あたりに臨時の返納所がありそちらで返却になりますが、この日は飛火野会場にも簡易テントが張られ返納品の当日受付(16時30分まで)があります。
焚き上げは13時からですが、返納品の一般受付開始は9:30から。返納の際には感謝の気持ちを納料としてお納めしましょう。
焚き上げできないものは、お飾りに使われた餅やみかん(橙)、市販の鏡餅に付属する三方や水引、餅容器など。
その場の炎で焚き上げされるので、その他にも燃やしたら環境に害がありそうな金属やプラスチック、ビニール製品は外すなどの配慮をしましょう。
とんど焼きとは?
関西では「とんど焼き」と呼ばれることが多いようですが、とんど焼きは
「どんど焼き」「どんどん焼き」「どんと焼き」「左義長」「道祖神祭」
など地域によって呼び名は様々。
しかし行事の内容としては、
正月のしめ縄飾りや門松、古札やお守り破魔矢など神様に関するもの、心願成就しただるま、書初めなど
を燃やし正月にやってきてくれた年神様が空に帰っていくのを見送り、五穀豊穣や無病息災を祈るというもの。
書き初めを燃やして炎が高く上がると字が上手になるらしいニャンね!
元々は平安時代の若干の地域差はあるのものの、大体小正月(1月15日前後)に日本全国各地で行われている行事です。
近年は成人の日との兼ね合いで実際の小正月より日付をずらして行う自治体も増えています。春日大社も2003年以降大とんどは1月の第4土曜日(若草山焼きの日)に固定されています。
春日大社とんど焼きの特徴・楽しみ方
多くの返納品が集まる、日本を代表する神社・春日大社の大とんどは、火炉も巨大で大規模で見ごたえがあります。大量の返納品が火炉に入れられていくのは圧巻の光景。
同日若草山焼きが行われるので多くの人出がありますが、春日の大とんどは開催時間も長く山焼きに比べると見物客も少なく敷地が広いので、鹿と戯れつつゆっくりと楽しめます。
随時地元民が返納品を手に訪れているといった感じのゆるい雰囲気が特徴。
また春日大社の大とんどは各地域団体で行われるようなものとは違い、春日大社の神事の一つです。そのため、例年13時になると春日大社神主さんによる祝詞奏上と巫女の舞奉納があります。
県外の方はなかなか見る機会がないと思うので、見てみたい!という方は13時には飛火野会場へいるようにしましょう。
会場での返納品受付は16時半までですが、受付終了後の16時45分から同日に行われる「若草山焼き」のための御神火を火炉から採取する神事「御神火奉戴祭」が行われます。
今日の思い出②。今日の思い出。夕方に奈良公園で御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)を見ていました。さすが春日大社、どんど焼きがでかい。
このどんど焼きから御神火をもらって、行列で若草山に運ぶ流れ。#御神火奉戴祭 #春日の大とんど #春日大社 #興福寺 #東大寺 #奈良 #奈良公園 #飛火野 pic.twitter.com/R6wHK4zDYE— 水樹@松戸東京代々木参拝予定 (@hoimi_cure) January 26, 2019
採取された御神火は金剛峯寺の修験者を筆頭とした総勢約40名の時代行列によって厳かな雰囲気の中、若草山麓まで運ばれます。
若草山焼きの火が春日大とんどの火なんて知らなかったニャ!何だかありがたみが増すニャンね。
16時過ぎの夕方に会場を訪れて奉戴祭の神事を見て、時代行列に着いて若草山麓まで行くのも楽しみ方の一つかもしれません。
特に神事は見なくてもいいかな、という方は、開催時間中に飛火野会場を訪れ返納品があれば返納、なけらば巨大火炉の神聖な炎にあたって、一年の無病息災や招福を祈願しましょう!
会場は春日大社参道沿いなので、参拝ついでにも立ち寄りやすい場所。参拝ついでに神様の力や恵みを伝える力があるという大とんどの炎にあたれば、より良い一年になることでしょう。
そのまま近くにある無料の観光スポット・浮見堂や瑜伽山園地(ゆうがやまえんち)へ向かいゆっくりと散策しがてら、観光中心地・奈良町方面に戻っていくのもおすすめ。
風向きによっては火の粉が飛んでくることがあります。近づきすぎるとコートに穴が開いたり焦げができたりすることがあるので、ご注意ください。
あわせて楽しみたい若草山焼き関連行事
春日大社とんど焼きの炎を御神火として同日行われる若草山焼きは18時15分から打ち上げ花火、18時30分から点火となっています。くわしくは下記記事にまとめたので、そちらもあわせてご覧ください。
この記事では山焼き前の明るい時間帯に楽しめる山焼きの日だけの特別行事をご紹介するので、とんど焼きのついでに参加や鑑賞して是非楽しい奈良での一日をお過ごしください。
鹿せんべいとばし大会
「鹿せんべいとばし大会」💕
風は少し強かったですがお天気に恵まれ、沢山の方々にお越しいただき大変盛り上がりました✨
とても楽しかったです٩(^‿^)۶🍘(お写真はフォロワーさんに頂いたものを使用しております😊)
5月2日(木)は聖武祭に行って参ります✨ pic.twitter.com/eCwpMVrbkd
— 真季 (@makky_sio) April 30, 2019
若草山の山麓で山焼きの日に行われる特別イベント。名前を聞いただけでもシュールな光景が目に浮かび、面白そうですよね。実は2012年から開催されている歴史あるイベント。
今日の山焼きは開催されます!
若草山では鹿せんべいとばし大会やってます(受付14:30まで) pic.twitter.com/gm1uowxNgQ
— 奈良市観光情報 (@nara_c_kanko_jp) January 27, 2018
その名の通り、特製の巨大鹿せんべいを1枚ずつとばしてその飛距離を競うという大会。参加者は専用サンバイザーを装着して臨むようです。
そして試合で投げた鹿せんべいを集まってきた鹿たちが食べるという…。これが本当のSNS映えではないでしょうか。(笑)
- 場所…若草山麓ゲート南ゲート~中腹
- 受付時間…12:00~14:30
- 開催時間…12:30~15:00
- 参加料金…300円
20メートル以上鹿せんべいをとばせば、入賞商品あり!過去には鹿ストラップや鹿マスコットがもらえたみたいです。今年は何がもらえるのか、楽しみですね。
ちなみに優勝賞品は鹿の角のトロフィーです!腕に自信のある方は是非参加してください。
デートの方は、彼女にかっこいいところを見せるチャンスですよ!子供連れでも友人同士でも絶対盛り上がる素敵なイベントです。
公式サイトには歴代の記録一覧や過去大会の写真なども豊富に掲載されているので、のぞいてみてくださいね。
消防団出発式典
#若草山 #消防団 #写真好きな人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 #coregraphy pic.twitter.com/FjqDUTi0DB
— Takahiro (@tennoji_taro) January 27, 2020
- 場所…若草山麓中央の特設ステージ
- 時間…17:00~17:20
奈良市消防団員約300名が、若草山焼き消火のために集合・出発式を行います。屈強な消防士たちが各消防署の名前を背負って整列する姿は圧巻。
若草山のふもとで枯れ草に点火する消防団員さん。こちらも荒記者撮影。あす、朝刊紙面でも別の写真をお届けいたします。乞うご期待!(坪) pic.twitter.com/euRscXvQEd
— 朝日新聞奈良総局 (@asahi_naraken) January 24, 2015
消防士たちは式典後若草山点火と消火という大仕事に臨みます。なかなか本物の消防士たちが働く姿を見る機会はないですし、消防士やはたらく車好きの子供には、是非見てほしい場面です。
ちなみに春日大社とんど焼き会場の方でも火を扱っているため、火炉近くの駐車場には消防関連の車が多数待機していました。消防車好きの子供はそちらも必見です!
寧楽音素描奉納演奏(音楽コンサート)
寧楽音素描(ならおとそびょう)奉納演奏は、若草山焼き前・大花火中・山焼き中の3部構成で行われる野外音楽コンサートです。
- 場所…若草山麓中央の特設ステージ
- 黄昏コンサート…15:45~16:30
- 宴若草山焼き奉納演奏…18:15~19:00
『寧楽音素描』とは、「寧楽の音の形をデッサンする」という意味。
ピアノ・ヴァイオリン・篠笛、和太鼓など様々な楽器がクラシックや伝統芸能などの特定音楽スタイルに捉われることなく自由なスタイルで演奏を繰り広げます!
古くから様々な文化を寛容に取り入れてきた奈良にぴったりな演奏スタイルですね。出演者など詳しくは下記ホームページをチェックしてください。
消防団出発式典前に行われる黄昏コンサートは夕陽の中で行われるコンサート。若草山焼きまで奈良に滞在しない予定の方は、奈良観光の最後に美しい風景と音色を楽しんでいってほしいです。
若草山焼き奉納演奏は、点火中に行われる山焼きに感謝を込めれ行われる演奏。山焼きの炎を眺めながら奉納される演奏を聴けば、自身の祈りも深まりそうです。
どれも山麓の特設ステージまで行った人のみが楽しめる特別な演奏。
山麓までは奈良駅から少し距離があり、大迫力で山焼きが楽しめるスポットとあって混雑も予想されるので念頭に置いて移動してくださいね。
アクセス・交通規制について
徒歩の場合、最寄り駅は近鉄奈良駅。駅から徒歩約17分。春日大社参道沿いに歩いていると右手に出てきます。
バスの場合、近鉄奈良駅またはJR奈良駅から黄色い市内循環バスで「春日大社表参道前」下車すぐ。
当日は若草山焼きも行われるため、交通規制が行われます。規制時間は春日大社とんど焼き開催時間ともかぶるので、お車でお越しの方は注意してください。
詳しい交通規制については下記の若草山焼きホームページに書かれていたものを引用しますので、ご参考にどうぞ。
5時~20時までで、規制体制をとっております。
※規制は、交通状況に応じて警察の判断によりますので、多少時間が前後いたします。例年の状況は、以下のとおりです。
①県庁東交差点~大仏前交差点
15時頃~一般車規制(バス・タクシー除く)
18時~19時30分頃 全面規制(バス・タクシーも規制)②大仏前交差点~若草山
15時頃~一般車規制(バス・タクシー除く)
18時~19時30分頃 全面規制(バス・タクシーも規制)
★観光バスについても、全面規制時は通行不可となります。
まとめ
春日大社の神事である「春日の大とんど」。誰でも気軽に参加できる行事で、13時からと16時45分からの神事は見ごたえがあります。
若草山焼きの種火となる神聖な春日の大とんどの御神火にあたり、一年の無病息災や招福を祈願しましょう!
当日は寒波到来で相当な寒さが見込まれるので、厚着して動きやすい服装でお出かけください。