トレイルランの大会というと、日常から運動しているスポーツマンの参加する大会というイメージがありますよね。
しかし2023年3月に行われた世界遺産・若草山が舞台のトレイルランナーズカップ奈良は、運動嫌いな初心者でも楽しんで完走できる楽しいイベントでした。
家族で実際に大会に参加したので、大会の様子や結果をリポートします。この記事が、どんな大会なのか気になっている方の参考になればうれしいです!
トレイルランナーズカップ奈良2023に参加しました
冬季閉山中の若草山正面ゲート前を貸し切り走る、トレイルランナーズカップ奈良。世界遺産の若草山を山頂まで登り、神聖な春日山原生林の中の遊歩道を走り下山するトレイルラン大会です。
一周約4キロ、累積標高約200メートル。
2023年は3月12日(日)に、気温20度以上の好天に恵まれ予定通りに開催されました。募集定員は500名でしたが、参加者は過去最多の約700名。
若草山を2周する8キロロングコースには本格トレイルランナーが、1周の4キロショートコースには3歳以上の子供も数多く参加し、大変盛り上がりました。
この記事を書いている私(30代女)も、5歳息子の伴走者として4キロに出場。8キロには30代男の夫が共に初参加しました。
当日の結果(タイム)、コースや雰囲気などをリポートします。次回参加される方の参考になれば幸いです!
大会の結果。入賞者は何分ぐらいで完走?タイム一覧表
8キロロング結果
8キロ | 49歳以下男子 | 49歳以下女子 | 50歳以上男子 | 50歳以上女子 |
1位 | 32:07 | 37:45 | 37:36 | 51:35 |
2位 | 33:42 | 42:22 | 38:43 | 54:23 |
3位 | 35:17 | 42:34 | 39:20 | 55:32 |
8キロのロングは、参加者223名、1時間28分以内で全員が完走しました。入賞者は驚異的なスピードですが、平均1時間ぐらいで完走する人が多かったようです。
8キロに参加した30代の夫(トレイルラン初挑戦)もちょうど1時間ぐらいで完走でした。
4キロショート結果①
4キロ | 男子高校生以上 | 女子高校生以上 | 男子中学生 | 女子中学生 | 未就園児男 | 未就園児女 |
1位 | 15:47 | 21:17 | 16:01 | 18:52 | 24:31 | 31:41 |
2位 | 18:12 | 23:49 | 16:56 | 22:24 | 28:00 | 34:43 |
3位 | 19:08 | 25:58 | 17:50 | 36:34 | 31:40 | 36:19 |
4キロショート結果➁(小学生)
4キロ | 小6男 | 小5男 | 小4男 | 小3男 | 小2男 | 小1男 |
1位 | 20:03 | 19:34 | 20:12 | 20:35 | 22:43 | 22:58 |
2位 | 20:32 | 20:52 | 22:22 | 21:28 | 23:03 | 23:25 |
3位 | 21:17 | 21:50 | 22:27 | 22:26 | 24:07 | 26:06 |
4キロ | 小6女 | 小5女 | 小4女 | 小3女 | 小2女 | 小1女 |
1位 | 22:00 | 26:05 | 22:53 | 26:47 | 27:10 | 29:10 |
2位 | 22:48 | 29:58 | 23:56 | 27:18 | 27:33 | 32:17 |
3位 | 31:33 | 30:03 | 24:34 | 29:43 | 27:37 | 34:30 |
4キロショートの参加者は432名、1時間48分以内で全員が完走しました。未就園児は伴走者が必要なので、実際に走っていた人数はもっと多かったです。(記事を書いている私も伴走でした)
小学生は各学年・男女別で表彰があるので、入賞のチャンスが他よりもあり!
とはいえ、入賞者は普段から鍛えてランイベントに参加してしている人が大人も子供も多いようなので、入賞を狙うならしっかりとした事前トレーニングや練習が必要そうです。
初参加の未就園児男子である我が家の5歳児は47分台でゴール。登りは全部歩きで、下りは全部走りそれぐらいのタイムでした。
8キロ、4キロ共に1位は若草山1周を約16分で完走するという、恐ろしいスピード。まさにアスリートですね!
大会会場の受付・様子・雰囲気
受付は春日大社寄りの南ゲート。トレイルラン参加者以外は入山禁止でゲート自体は開いていません。ゲート横の細い出入口から忍者のように入ります。(笑)
12時半のスタートですが、受付は12時まで。初参加の私と5歳の息子は、11時50分ごろに受付に到着しました。黄色い服のスタッフの方の案内で、受付はスムーズ。
事前に調べておいた番号をいうとゼッケンを渡され、記念品をいただきました。トレイルランのロゴ入りのタオルかボトルがもらえます。息子はボトルをチョイス。
伴走者はここでピンクのたすきを渡されます。
会場内は、山麓のゲート内芝生広場は既に多くのランナーでにぎわっていました。各々持参したテントを張ったり、元気な子は山麓の斜面をのぼって遊んだり。
4キロは家族連れが多い印象です。応援に来た家族の方もいるようで、運動会のような雰囲気でした。
午前中の9時半開始だった8キロロングに参加した夫によると、8キロは本気のランナーが多く本格的な服装をしたガチの感じの方がほとんどだったそう。
それぞれ軽食をとったりストレッチをしたりと和やかな雰囲気で、スタートを待ち過ごしていました。会場となる南ゲート内には数も多くきれいな洋式トイレもあり、安心でした。
トレイルラン、スタート!コースは?
トレイルランナーズカップ奈良のコースは、8キロロングも4キロショートも同じ。8キロは同じコースを2周走ります。
- 8キロが9:30スタート
- 4キロが12:30のスタート
- 制限時間は共に3時間
8キロと4キロのダブルエントリーの方もいるので、8キロ終了後しばらくしてから4キロがはじまるといった感じです。
4キロメートルスタート
開始時刻の12時半の10分前ぐらいから、スタート地点に参加者がわらわらと集まってきました。
特に順番が決まっているわけではないので、好タイムを狙いたい人は早めに行って前方ポジションをとるのがよさそう。息子と私は真ん中より少し後ろあたりで待機しました。
トレイルランナーズカップ奈良大会。
ショート。 pic.twitter.com/tVKbKlfa97— さるさる@そろそろ本気出す (@satorus70342198) March 12, 2023
カラカラカラ~♪といったやさしい鈴のような音で、スタートです!
山頂までの石畳階段は一番の難所
スタートすると、いきなり石畳の階段がはじまります。階段はなかなかの急こう配で、開けた草原になっている山肌にずっと伸びていて、どこまで続いているのか見えません。(汗)
4キロは親子での参加も多く、伴走者も含めるとかなりの人数。行列になってぞろぞろ登っていきます。みんな歩いていました。
(入賞を狙っている方は行列に巻き込まれないようにおそらく先頭の方を走って先に進んでいたものと思われます。)
後々振り返ってみても、一番最初のここが一番しんどかったポイント。出鼻をくじかれた感じで、いきなり心が砕けそうになりました。
8キロの方は、2周目のこの石段がかなりしんどく、平均タイムで完走した夫いわく、まわりの人もここは皆しんどそうに歩いていた、とのことです。
ここは目の前の階段ではなく、遠くの景色を見ながら登った方がよさそう…。
やっと長い階段を抜けると、少し平になった開けた原っぱに。若草山の二重目です。奈良市内が一望できます。多くの人がここで軽く水分補給や写真撮影をして、山頂に向かっていきました。
ラストの登りも階段、そして山頂
しばらく山肌の間の道を、道なりにのぼっていきます。踏み固められた土の道といった感じ。両脇は芝生です。
ようやく山頂が見えてきて、もうちょっとだ!というところで少しの下り坂が。そしてラストはまた下った分を取り戻すための階段…。
最初の階段に比べたら大したことはありませんが、やはりこたえます。8キロを走った方に聞いたら
2周目のこの階段がなかなかきつかった
とおっしゃっていました。
そして山頂。閉山中ですがそれは表ゲートだけの話。山頂までは春日山原生林を通って、または車で行くことも可能なので、山頂には多くの観光客の姿がありました。
市内を一望できる眺めは最高です!簡単に記念撮影をして、すぐに次の道へ進みます。ここまでで大体1kmです。
山頂から春日山原生林内・未舗装の砂利道へ
ここからは、のこり3㎞はひたすら下り。世界遺産である春日山原生林の中に入っていき、砂利道を走ります。
山頂までは歩くだけで精一杯で「トレイルランだけど走るなんて絶対に無理!」と思っていましたが、下りは森の中で涼しいですし、勢いがついて走りやすい!
普段から運動しているわけではない30代母の私・5歳の息子ですが、共に一度も止まることなくひたすら走り続けることができました。
逆に一度止まってしまうと脚がガクガクして歩けなくなりそうでした。(汗)
すれ違った同じくらいのタイムの参加者はほとんどが子供(親子連れ)でしたが、歩いたり走ったりとそれぞれのペースで進んでいました。
世界遺産の原生林だけあってとても森が美しく空気も良くて、走っていて気持ちよかったです。森林浴のようでした。
最後は舗装道から再び山麓のゴールへ
下り続きの砂利道がだんだんとなだらかになっていき、ゴールが近づいてきます。ここまで下り坂の勢いを借りて走ってきたので、平坦な道に入りしんどくなって、走るスピードが落ちました。
5歳の息子は平気そうでしたが、ここで伴走者の母の方が足を引っ張ってしまい、反省。砂利道が終わり少しだけ車道に入ります。そして山麓の草原に再び入るために、最後のコンクリ坂道…。
短いのですが、ここが「も、もう無理…」となりました。(汗)息子は後ろの母を気遣い振り返りながら走っています。(笑)情けない母…。
スタッフの方に「お母さん置いて先に行け~!」と言われ、頑張って走る息子の背中を何とか追いかけて、ようやくゴール!
ゴールしたらすぐにゼッケンをスタッフの方に手渡します。(ゼッケンでタイム計測)
ゴールゲート横にあるバーコードを読み込むと、タイムや順位が速報としてリザルトで確認できるようになっていました。(即反映ではなく、タイムラグあり)
初心者・トレイルラン初参加の感想
今回、トレイルランに初挑戦したのは3人家族の我が家、友人の20代男性と40代男性の5人。
4キロは5歳の息子と、運動が苦手な30代母。8キロは筋トレ好きな30代夫と、サッカーやボクシングが趣味の20代男性、日常的にランニングしている40代男性が参加しました。
みんなトレイルランという未舗装道路を走るランイベントは人生初参加。
事前トレーニングもイマイチ何をして良いのか分からず、それぞれ付け焼刃のウォーキングやランニングぐらいしかせずに大会に臨みました。(汗)
会場にはそういったイベント慣れしてそうな経験者の方が多い印象でしたが、特にアウェイ感を感じることもなく、初参加の初心者でも楽しめました。
ルートの各所にスタッフの方が立っていて「ナイスラン!」「がんばれ~!」「あとちょっと!」など励ましの声援を飛ばしてくれるのも、孤独感がなくなり、とても励みになりました。
階段のぼるのは大変だったけど、ずっと走ってるのは楽しかった
平地を走るよりも楽しかったな~
若草山近くの奈良市内に住む我が家ですが、こんなイベントが開催されていることすら知りませんでした。
(ちょうど隣の東大寺二月堂で有名な伝統行事お水取りが実施されているので、そちらが注目されすぎているのもあり)
このイベントのことを話しても知っている人は身近におらず、地元奈良ではまだあまり認知されていないイベントのようで、その点は残念。県外など遠方からの参加者がかなり多そうでした。
楽しかったので、来年はまわりにももっと声をかけて、また皆で参加しようと思います。
この記事を書いているスポーツ運動嫌いな私は、参加するまでお金を払ってまで走る意味が分からないと思っていましたが、実際参加してその気持ちが少し分かるように。
走り切ることでやりきった達成感(自己肯定感)を感じることができ「運動嫌いな私でもできた!やればできるんだ」と少し自分に自信が持てるようになったからです。(筋肉痛はすごいですが汗)
一人ではなく同じ目標に向かってみんなで競い合いながら頑張っている、負けないぞ頑張ろう!
という良い競争心が持てるのも、大会参加者のみの特権。
そして何より、自然の中を走るという解放感は最高でした!
3歳から参加できる若草山のトレイルランは、私のような運動習慣のない人間でも走り切れましたし、歩いてもOKなので運動入門に最適。トレイルランやランニング初心者にもおすすめのイベントです。
記念品はタオルorボトル。記録証や写真もゲットできる!
トレイルランナーズカップ奈良2023に参加すると、入賞できなくても参加特典がもらえました。
会場受付時には、トレイルランナーズロゴ入りのタオルか、携帯用ドリンクボトルのどちらかがもらえます。8キロの方はそれプラス栄養補給ゼリーがもらえたそうです。
帰宅後は、下記リンクのリザルト画面から記録証書と、入賞者は表彰状がダウンロード可能。(環境への配慮でペーパーレスを促進しているためデータ配信)
ダウンロード方法は下記公式ページでご確認ください。
さらにこれは意外と知らない人が多いようですが、大会の写真の無料ダウンロードができます。2023年3月19日まで随時追加されるようなので、要チェック!
【フォトアルバム】
以下リンクの公式開催レポートの中の下の方にもフォトアルバムという写真アルバムへのグーグルフォトへのリンクがあるので、公式レポートを読みつつ確認をどうぞ。
参加者の方はプロが撮影したきれいな大会写真をゲットしてくださいね。きっと自分が映っている写真がありますよ。
公式の写真には左下にトレイルランナーズのロゴが入ってるから特別感がありうれしいニャ!
まとめ
はじめてのトレイルランナーズカップ奈良。運動嫌いな私の2023年初挑戦は無事成功に終わり、自分の殻を一つ破れたような気分に。幸先の良い一年のはじまりとなりました。
これを機に、日ごろから運動する習慣を持って身体を鍛え健康な一年を過ごし、来年のトレイルランはもっと良いタイムを出せるようにがんばります。
神社仏閣を見るだけではなく、奈良の世界遺産の中を実際に走って、そのすばらしさを実感してみてはいかがでしょうか。
※来年のトレイルランナーズカップ奈良は2024年3月10日(日)開催予定
※奈良吉野の森と池を堪能できるトレイルランナーズカップ下北山村は2023年11月26日(日)開催予定&エントリー受付中!