私はお酒が好きですし、それなりに強い方だと思います。ビールも日本酒も焼酎も洋酒も問題なく飲めますし、飲み過ぎて二日酔い以外に具合が悪くなることはありません。
でも、どういうわけか赤ワインだけ、飲み進めるうちに鼻水が止まらなくなるのです…。とはいえそれは毎回ではなく、大丈夫なときもあるから不思議です。そして同じワインでも白ワインは基本的に大丈夫という謎。
もしかしてこれは赤ワインアレルギーなのか!?と思い原因を少し調べてみたところ、どうやら私の場合はワイン中の「ヒスタミン」という成分に過剰反応しているようだ、ということが分かりました。
今回は私の体験談をもとに、赤ワインを飲むと出る不快症状の原因と対策についてまとめてみたいと思います。
赤ワインで鼻水が出るのは「ヒスタミン体質」の可能性

アレルギーの話でよく出てくる「ヒスタミン」。ヒスタミンは、もともと体の中にある情報を伝える物質で、花粉症の時に出る鼻水・かゆみ・くしゃみのスイッチのような役割を持っています。
本来は身体を守るのに大切な物質で、
体に入った異物を追い出す・血流を調整する・胃酸の分泌を助ける
など、いろいろな場面で活躍しています。
ただ、人によってはこのヒスタミンに敏感に反応してしまい、食べ物やお酒に含まれるヒスタミンが多いと「花粉症みたいな鼻水やくしゃみ」が出やすくなることがあるのだそうです。
赤ワインはヒスタミン含有量が多いといわれる飲料。特に、
- 濃いめの赤ワイン
- 手頃なパック赤ワイン
- 長く保存されたワイン
これらはヒスタミン量が多くなるとも言われています。
私自身、元々肌が弱かったり、疲れやストレスで蕁麻疹が出たりするタイプです。こういう体質の人は、体内でヒスタミンを分解する力が弱めで、ヒスタミンが蓄積すると鼻水が出やすいのだとか。
思い返してみると、私が鼻水で困ったときは、まさに濃いワインや安パックの赤ワインを飲んだ日が多かった気がします。
ヒスタミン以外にも考えられる原因
赤ワインで鼻水が出る理由として、私は「ヒスタミンに敏感な体質」がいちばん近いと感じていますが、実は原因はヒスタミンだけではありません。
赤ワインには
- タンニン(渋み成分)による粘膜刺激
- 酸味による刺激
- 酸化防止剤(亜硫酸塩)への反応
など、体質によって反応の出方が変わる要素がいくつもあります。そのため、同じワインでも「鼻水・くしゃみが出る人」「頭痛になる人」「咳が出る人」など人によって症状が少しずつ違うのだと思います。
赤ワインでこういった不快症状がでるのは、ほとんどの場合は「ヒスタミン不耐性」による軽い反応です。私のような軽い鼻水やくしゃみはその典型のよう。
ただし、まれに本物のアレルギー(亜硫酸塩アレルギー・ブドウアレルギーなど)が隠れている可能性もあり、呼吸が苦しい・ぜーぜーする・蕁麻疹が広がる…といった重い症状が出ることもあります。
もし毎回強い反応が出る場合や、赤ワイン以外でも似た症状が続く場合はアレルギーの可能性もあるため、一度医療機関で相談しておくと安心です。
最初の一杯は大丈夫なのに、途中から鼻水が出る理由

私はどんな赤ワインでも、最初の1、2杯程度は鼻水も出ず普通に飲めます。ところが飲み進めるうちにどんどん鼻水がひどくなることが多いのです。
人それぞれ体が分解できるヒスタミン量には限界があるのだそうです。私はどうやら、その分解できるヒスタミン量がもともと少なめの設定。
具体的に説明すると、ヒスタミンは体の中でDAO(ジアミンオキシダーゼ)という酵素やHNMTという酵素によって分解されるのですが、この酵素の「働きの強さ」や「量」は生まれつき・体質・体調・年齢・腸の状態で大きく差があるのだそうです。
ずっと
お酒が弱くなった(アルコール分解が苦手になった)から鼻水が出るのか?!
と思っていましたが、正確にはヒスタミンに弱いということだったようです。ヒスタミン分解量が私の基準値を超えたときにそういった不快症状が出てしまって、お酒が弱くなったように見えていただけでした。
では赤ワインはもう飲めないのか?→選び方で変わる【対策】
私はその仕組みを知ったとき
え?じゃあ私もう赤ワインあんまり飲めないの!?好きなのに辛い…
と半分絶望しました。
でも実際は体質的に反応が出やすいだけなので、赤ワインを完全に避ける必要はなさそうということを知り、一安心。工夫次第で摂取可能ということです!
鼻水が出にくいワインの傾向

要はヒスタミン量が少なめの赤ワインをセレクトするように気を付ければよいのです。具体的には、
- ピノ・ノワール
- ガメイ(ボジョレー)
- 国産ライトボディ
- テーブルワインよりはボトルワイン
- ナチュラルワイン(亜硫酸少なめ)
これらはヒスタミンやタンニンが比較的少ないため、私でも鼻水が出にくいです。
逆に避けた方が良いヒスタミン含有量多めの赤ワインは下記のとおりです。
- 安パックの大量生産赤ワイン
- 濃いめの赤ワイン
- 長期保存のワイン
- シャンパン(ワインではないけれどヒスタミン多め)
赤ワインやシャンパンは、発酵が長かったり熟成工程が複雑だったりするため、ヒスタミンが増えやすいお酒です。特に上記に挙げたワインなどは、発酵や保存の過程でヒスタミンが増えやすいと言われています。
飲み方でも反応は変わる

赤ワインで鼻水やくしゃみなど不快症状が出やすいかどうかは、体調に左右されやすいものです。私の場合は、特に以下のような日は強く反応が出がちになります。
- 疲れている
- 寒さで体が冷えすぎている
- 風邪や生理前後で体が敏感
- 寝不足の日
- ストレスの多い日
- 腸内環境が乱れている日
私はこういった日に赤ワインを飲むと特に鼻水が出やすいので、そのときは他のお酒を選ぶようにしています。
また、ワインばかりが体内に高濃度で入ると反応がはやくなる気がするので、できるだけ
食事と一緒にゆっくり飲む・水をこまめに挟む
ように気を付けています。これだけでも鼻水がかなり軽減される気がします。
食べ物や飲み物に対する反応は、その日の体調・食べた量・食材の状態が全部重なって決まることがあります。
たとえば、我が家の息子も一度だけ、回転ずしでサーモンをたくさん食べたその夜にまぶたが急に腫れたことがありました。2~3時間で引いたので蕁麻疹だったようですが、その後懲りずにまたサーモンを食べても一度も出たことはありません。
このときは、おそらく「その日の息子の体調」×「サーモンの鮮度やヒスタミン量」×「大量に食べた」という条件が重なってしまったことで、一時的に体の反応が強く出たのではないかと思っています。
ワインも同じで、元気な日は大丈夫でも、体調が微妙な日は鼻水など体の反応が強くなりますし、空腹や一気飲みだと負担が大きくなりやっぱり鼻水が出がちです。
体調や飲み方次第で反応の出方は大きく変わるものですね。
こういう経験を通して、「飲食に対する体の反応は、食品そのものだけでなく、その日の自分の状態と摂り方にも左右されているんだな」と改めて実感しました…。
体との相性を知ると、ワインはもっと楽しめる
赤ワインもシャンパンもおいしいし、けれども、好きなのに飲むたび鼻水が止まらなくなるのは本当につらいものです。
でも、この体質との関係を知ってからは、無理せず自分に合うワインを選ぶようになりました。
私の場合は赤ワインでしたが、その人の体質によって相性の良いお酒・悪いお酒というものが存在するということを実感。お酒は「強い」「弱い」だけではないのですね。
これからも、自分の体と相談しながら、可能な範囲で最大限、大好きなワインを楽しんでいけたらいいなと思います。
