古都奈良に早春の訪れを告げる伝統行事・若草山焼き。中止や縮小開催が続きましたが、今年2023年は3年ぶりに通常開催となります。
見所は何と言っても、奈良県下最大級の花火と、山肌を焼き尽くす圧巻の炎。
地元民も太鼓判のおすすめ観覧スポット(写真多め)と通常開催となった今回の若草山焼き当日の行事一覧をお届けします。
若草山焼き2023年はいつ?開催情報
2023年若草山焼き情報
- 開催日…2023年(令和5年)1月28日(土)
- 開催場所…奈良公園・若草山一帯
- 入山料…無料(山焼き当日のみ)
- 大花火打ち上げ時間…18:15~(約15分間)
- 一斉点火時間…18:30~(約40分間)
- 荒天の場合中止
若草山焼きは毎年1月第4土曜日に行われる奈良の伝統行事。
コロナ渦以降、大雨のため火が付かず中止・縮小開催や観覧制限などが続いた若草山焼きですが、2023年は3年ぶりの通常開催となります!
※1/28 11時追記※2023年通常開催決定しました!
ただし感染症対策のため、山麓会場内では飲食禁止。例年実施していた飲食ブース(温食ブース)はなし。
↓若草山焼き行事実行委員会・公式ホームページはこちら↓
2023年若草山焼きの結果(1月28日追記)
2023年は前日夜に積雪、夕方までの降雪の影響により上手く点火されず、残念ながら一面に燃え広がることはありませんでした。燃えたのは全体の1割程度だったそうです。
詳細はこちらの記事にまとめたので、あわせてご覧ください。
しかしちょうど花火の時間頃には夜空も晴れてきて、開催時間前後には降雨や降雪もなくきれいな打ち上げ花火を楽しむことができました。
若草山麓まで見に行きましたが、天候不順の割には人出もそこそこあり、屋台にお松明、音楽生ライブなどで久々のお祭り気分が味わえました。また来年の山焼きが楽しみです!
若草山焼きとは?
若草山焼きという行事自体は有名ですが、そもそも何のための行事なのかご存じの方は少ないと思います。私もその一人でした。(汗)
『古都奈良の早春を告げる伝統行事』とよく言われますが、それだけだとぼんやりしていて何のために続いてきた行事なのかよくわかりませんよね。
若草山山頂にある鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)をご存じでしょうか。この古墳には古くから幽霊が出て悪さをする、山を焼けば出なくなるらしい。山を焼かないと悪いことが起こる。
などといった迷信があり、誰とも分からない放火が後を絶たなかったそうです。江戸時代末期、見かねた奈良奉行所が東大寺・興福寺と共に公的行事として山を焼くようになったのが山焼きの起源。
つまり若草山焼きは、元々はそこに眠る霊魂を鎮めるための祭礼・供養の行事だったのですね。
それが東大寺・興福寺・春日大社が神仏習合となり先人の鎮魂慰霊・奈良全体の防火・世界平和など様々な願いを込めて行われる行事へと変貌し、現在に至ります。
人それぞれがいろんな祈りを込めて鑑賞してきた行事ニャンね!
見どころは
若草山焼きは、今からご紹介する2つを目当てで鑑賞に訪れる方が多数。それぞれの行事の見所を簡単にご紹介します。
奈良礼賛大花火打ち上げ
若草山山焼きの打ち上げ花火は、奈良県最大級の規模。もともと平常時でも奈良市内では特に大きな打ち上げ花火大会はないので、貴重な打ち上げ花火です。
奈良県の花火師たちによって、約600発の花火が若草山の上に打ち上げられます。
大玉スターマインの大花火からはじまり、色の変化が楽しめるグラデーション、鹿のスターマイン。そして県内でも珍しい『尺玉』の連続打ち上げ予定!最後は空一面に広がる光の花でフィナーレです。
若草山の花火は若草山焼き・瑠璃絵・燈花会で打ち上げられることが多いですが、近年は感染症対策のため縮小や中止も多々でした。
久しぶりに本格的な打ち上げ花火が楽しめそうで、今からワクワクです!
冬は空気が澄んでいて花火が一層きれいニャンね!
コロナウイルス感染症対策として内容が中止・縮小になる可能性あり
メインイベント!若草山山焼き
山焼きというとやはり京都の大文字焼きが有名ですが、奈良若草山山焼きも江戸時代以前から続いているといわれる、歴史ある山焼き。
この奈良に早春の訪れを伝える伝統行事・若草山焼きで使う炎は、同日奈良公園の飛火野で行われる若草山大どんどの「御神火」。この御神火を総勢40人ほどの時代行列が山麓まで運びます。
点火時間になると、この御神火のかがり火を松明に炎を移し山焼きのスタート。
点火範囲は約33ヘクタール・3800メートルの草地。東京ドーム7つ分ともいわれていて、かなり広範囲なので遠くからでもよく見えます。
だから地元民たちは割と近くまで見に行かないで、家の近くから眺めて楽しんでるニャン
18時30分の開始直後はまだ火が行き渡っておらずあまり見えませんが、しばらくすると燃え広がる炎が見えてきます。
その年の草の湿り具合や気温などによっても燃え方は変わってくるので、30分で下火になる年もあれば40分してもよく燃えている年も…。
山火事かのように広い範囲が燃えますが、約300人態勢で地元の消防団がしっかりと待機しているので本当の山火事になる心配はなく安心です。
山焼きのおすすめ観覧スポット7選!穴場はある?
若草山は横に広く広範囲からよく見える山なので、若草山が見える場所ならばどこでも問題なく楽しめます。
しかし山焼きの美しさや迫力を100パーセント堪能したいというならば、やはり山麓まで行くのがベスト。若草山は冬季閉山中ですが、山焼き当日のみ特別に入山可能(入山料無料)となっています。
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山が焼けるにおいや燃え上がる炎などが間近で鑑賞でき、臨場感はピカイチ!その分混み合うことも予想されます。(そのため三脚の使用は不可)
上の画像は2020年山焼きの様子。なかなかの人出です。早めの到着を目指しましょう。(寒いですが…)ちなみに山麓の特別観覧席は該当旅行ツアー参加者の特別席となっているようです。
また、若草山全体が良く見える奈良公園・東大寺参道横の広場(浮雲園地や春日野園地)もおすすめ。
我が家は以前春日野園地で鑑賞しましたが、広い場所なので混雑しているという様子もなくじっくりと鑑賞できました。
コロナ渦以前だったので今はどうか分かりませんが、当時は東大寺周辺に集まる観光客の多くは大花火打ち上げ目当ての人が多かったようで、花火が終わると駅方面に戻っていく人がとても多かったです。
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上のインスタ画像の通り、二月堂手前あたりからも山焼き鑑賞可能な様子。二月堂と山焼きとのコラボも素敵ですね!
奈良の冬の風物詩、若草山の山焼きが2020年1月25日に行われるよ。その山焼きを奈良公園バスターミナルの屋上から見てみない?12月7日までに往復はがきで応募すると、抽選の上100組限定で奈良公園バスターミナル屋上庭園から鑑賞できるんだ♪ぜひ応募してみてね!https://t.co/ZEzNUh5aEe pic.twitter.com/3HxNVmwJZI
— せんとくんのつぶやき【奈良県公式】 (@narakencyou) November 27, 2019
建物の高さ制限がある近鉄奈良駅周辺、高い建造物というと奈良県庁・バスターミナルの屋上ですが、こちらでの鑑賞は事前申し込みの上での抽選。
若草山焼き当日は当選者のみしか立ち入りできなくなっているので要注意です。
ならファミリーで若草山の山焼き鑑賞へ昨日行ってきました。整理券配布が17時からだったけれど配布開始から30分しないうちに200枚完売するという!
スマホのカメラでは綺麗におさめることが出来なくて残念。。花火も山焼きも良かったよ pic.twitter.com/NjzRMWC6hH— nacco (@nrxaikt) January 29, 2017
もう少し遠くからの場合のおすすめ鑑賞スポットは、平城宮跡とならファミリー屋上。少し離れている分、山全体が燃えている様子を楽しめます。
若草山焼き 平城宮跡
2020.1.25 撮影 SONY Alpha#若草山焼き#平城宮跡#花火#奈良#わたしは奈良派#SonyAlpha#写真好きな人と繋がりたい #Photography pic.twitter.com/hagSHjAEJe
— いのたけ (@ino_take_) January 25, 2020
平城宮跡では朱雀門や大極殿越しに山焼きを鑑賞することもできるので、写真映えは抜群です!
三脚を立ててじっくり写真撮影したい人は平城宮跡がおすすめニャ!
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その他、薬師寺が見える大池(西ノ京)もビュースポットとなっているようです。
周辺の宿泊施設に泊まっている方は、施設内から鑑賞するのが一番快適かもしれません。(混み合わず暖かいですし)
ちなみに今回ご紹介したSNS画像のほとんどは合成写真。実際は花火の後に山焼き開始なので、同時に鑑賞することはできないのでご注意ください。
山焼き当日は1日を通して他にも行事が盛りだくさん!
山焼きの当日は、夜の山焼き以外にも一日を通してイベントが盛りだくさん。120パーセント山焼きを楽しみたいならば、午前中から奈良観光をスタートさせてくださいね。
ただし1月28日(土)は、寒波到来で相当な冷え込みが予想されるので、しっかりと厚着してお出かけください。
春日大とんど(13時~18時頃)
13:00~16:00頃まで、春日大社参道横にある飛火野で開催されます。春日大社に納められた古札やお守り、お飾りなどを巨大火炉でお焚き上げ。当日受付もあります。(受付は16:30まで)
大量の返納品がひたすら焚き上げられていく様子は圧巻!神様の力や恵みをいただけるとんどの火。火にあたって、一年間の無病息災を願いましょう。
飛火野で御神火奉戴祭&聖火行列出発(16時45分頃~)
若草山 山焼き 松明の聖火行列 pic.twitter.com/BolBL7xXQZ
— 鹿@1/14,28 本能寺陣借出陣 (@deer_PK) January 23, 2016
16:45頃、大とんどの炎を御神火としてもらいうけられる儀式(御神火奉戴祭)がとんど会場にて執り行われます。
17時5分頃、聖火行列が飛火野を出発。金剛峯寺の法螺衆の率いられた約40名の時代行列により、若草山麓にある野上神社まで御神火が運ばれます。
カッコいい山伏や僧侶行者姿の人たちの行列についていくのも楽しそうだニャ!
17:25頃、水谷茶屋周辺で御神火を松明に点火。
野上神社祭典(17時40分頃)
野上神社到着後、松明の御神火はかがり火に点火されて行事無事成功祈願の祭礼がスタート。法楽・興福寺と東大寺と金剛峯寺の僧侶による読経の中で、山麓中央の大かがり火に点火されます。
花火終了後の18:30頃、消防団員約300名の手で法螺貝(ほらがい)、ラッパの合図で一斉点火!山焼きスタートとなります。
ほら貝の音、聴きたいニャ~♪
子供連れでも楽しめそうな山麓イベントもあり
- 鹿せんべいとばし大会(12:30~15:00)
- 若草山黄昏コンサート(16:00~16:30)
- 消防団出発式典(17:00~17:20)
- 大花火饗宴(18:15~18:30)
- 若草山焼き奉納演奏(18:35~18:50)
鹿せんべいとばし大会は受付14時半まで、参加料金300円。詳細は下記の記事にまとめたので、こちらもあわせてご覧ください。
若草山焼きアクセス・交通規制について
アクセスは下記公式ホームページサイトをご覧ください。徒歩・バス(JR奈良駅・近鉄奈良駅から)・自転車・バイクや自動車でのアクセスについて記載があります。
当日は交通規制があり、15時~20時は車両通行禁止になる道路があります。くわしくは下記ホームページ(奈良警察署)をご覧ください。
車の場合、専用の駐車場はないため、県営駐車場や民間のパーキングを利用してください。春日大社駐車場は例年16時には満車、さらに15時~20時までは運行規制があるので注意が必要。
できるだけ電車やバス等の公共交通機関を利用するようにすすめられています。
山焼き鑑賞はどの移動手段を利用してもけっこう歩くことが多いので、歩きやすい履きなれた靴でお出かけください。
まとめ
3年ぶりに通常開催される若草山焼き。多くの人出が予想されますが、感染症対策を徹底しつつ鑑賞、先人たちの鎮魂供養、今年の健康や平和、コロナ終息を御神火に祈りたいです。
相当な寒さが見込まれますので、しっかりと厚着をして風邪を引かないように若草山焼き行事を楽しみましょう!