聖武祭2023概要

奈良のこと

奈良・東大寺の聖武天皇祭とはどんな行事?2023年日程は?見どころは?

ゴールデンウィーク。観光地である奈良への旅行を考えている方も多いのではないでしょうか。せっかく観光に行くならば、特別なイベントに参加できたらうれしいですよね。

奈良観光の王道・東大寺では5月2日に年に1度だけの聖武祭が行われます。聖武祭とはどんな行事なのか、見所は何なのか?などを、奈良在住の地元民がご紹介します。

東大寺の聖武天皇祭とはどんな行事?

中門から望む東大寺大仏殿

奈良時代に国家平安のために「奈良の大仏さま」と東大寺を建立した聖武天皇。必ず教科書に登場するので、日本人の誰もが名前を知っていることでしょう。

建立は難事業でしたが、国を守りたいという熱意と仏教への厚い信仰心を持った聖武天皇あってこそ成しとげられたと言われています。

756年5月2日は、そんな聖武天皇が56歳で崩御された日(命日)です。そして聖武祭は聖武天皇の恩徳をしのぶ御忌(ぎょき)・慶讃法要なのです。

午前中に聖武天皇をお祀りする天皇殿にて法要が、午後には時代衣装に身を包んだ練り供養の行列が、東大寺参道から大仏殿までを歩き大仏殿にて法要があります。

さらに大仏殿前の鏡池で舞楽の奉納、慶讃能の奉納がありますが、こちらは自由観覧が可能です。

また、1年間でこの日のみ一般人の天皇殿への屋外からの参拝が可能です。(時間制限あり・後述します)

東大寺の幡

聖武祭では大仏殿に美しい幡(はた)も掲げられて華やかな雰囲気に。

2023年・聖武祭の日程は?

時代行列

日時

  • 2023年5月2日(火曜日)8時~

スケジュール

  • 8時~天皇殿にて法要「最勝十講」
  • 13時~練り行列(練り供養)
  • 大仏殿到着後「聖武天皇慶讃法要」献茶、献花
  • 13時半頃~鏡池水上舞楽台にて舞楽奉納
  • 15時頃~鏡池水上舞楽台にて慶讃能の奉納

ここ数年はコロナ渦の影響で感染症対策のため時代行列や鏡池奉納のない縮小開催が続いていましたが、2023年度は例年通りの通常開催となる予定です。

聖武祭の見どころ3つ!

聖武天皇の御忌供養である聖武祭は、一般的な「お祭り」のような派手な賑やかさはありませんが、厳かながらも華やかな大寺院らしいお祭りです。

そんな聖武祭の見どころは大きく3つ。

天皇殿の一般公開・練り供養の時代行列・鏡池の舞楽、能の奉納

です。それぞれ詳しく解説していきます。

この日だけ天皇殿が一般公開。外から拝める(時間制限あり)

天皇殿は、東大寺参道、南大門を入ってすぐ右手にある小道から続く場所に位置しています。

江戸時代に徳川将軍家を祀る「東大寺東照宮」として建立されましたが、大政奉還後に聖武天皇座像を祀る「天皇殿」となりました。

普段は非公開ですが、1年で聖武祭のある5月2日だけ、一般公開されます。

中では法要が行われているため建物外からの拝観となりますが、それでも普段は固く閉じられた天皇殿(どんな建物なのかも外からは見えない)の中へ入ることができるというのは貴重でありがたいことです。

拝観すれば、あわせて天皇殿に行く途中にある国宝、本坊経庫(奈良時代・校倉造りの建物)も同時に拝むことが可能。この本坊経庫もこの日しか見ることができないので忘れずチェックしてくださいね。

注意すべきは、拝観時間制限があるという点。

拝観可能時間

8時~14時(8時~11時半(法要中の時間)と、法要後の14時まで)

タッキー

11時半までに参拝すれば貴重な法要も見られてうれしいニャンね!

13時台は練り行列や鏡池舞楽が行われ参道付近がにぎわっているので、

そちらに目を奪われて14時の拝観終了時間に間に合わなかった!

ということのないように気を付けましょう。

華やかな「練り供養」の時代行列

時代行列、大仏殿前

13時からは、練り供養の時代行列が。時代行列は13時に国際フォーラムのあたりを出発して南大門のある参道に入り大仏殿までゆっくりと歩きます。大体トータル40~50分ぐらいの時間でしょうか。

練り供養は聖武祭の中でも最も華やかで、一番の見どころといえるでしょう。聖武祭を見てみたい!とこの日に東大寺を訪れる方は、13時~14時頃の時間帯がおすすめです。

大行列なので、この時間帯に大仏殿までの参道に行けば迷わずすぐに見つけられるはずです。

大仏殿に到着次第「聖武天皇慶讃法要」が大仏殿で行われます。

大仏殿内の参拝は、通常通り参拝料金が別途必要となります。ちなみにこの時間帯は大仏殿内参拝順路変更があるので、大仏殿内見学参拝客はご注意を。

時代行列は、約250名の大行列。なかなかの迫力です。過去にはミス奈良の方々が行列に参加していました。

時代行列

先駈(さきがけ)、楽人、稚児(約50名、同伴の母親等約50名)、物詣女(ものもうでおんな)、奈良市観光協会関係者、聖武講役員、僧兵、会奉行(えぶぎょう)、式衆(東大寺本山末寺の僧侶約50名、伴侍・傘もち約50名)、東大寺住職・侍僧など

ここ数年は感染症対策のため時代行列のない縮小開催でしたが、今年度2023年は行列や大仏殿での奉納における献花献茶も復活予定です。

稚児行列に参列するのは、稚児衣装に身を包んだかわいらしい東大寺学園幼稚園の園児たち。

僧兵に扮した生徒

東大寺学園の男子生徒も僧兵などに扮して参列。聖武祭を明るく彩ってくれます。楽しみですね!下の動画は2017年の様子です。参考にどうぞ。

鏡池水上舞台前での舞楽・能の奉納

舞楽は練り供養の時代行列が大仏殿に近づいてきた13時半頃から、大仏殿前の鏡池にて南都楽所による舞楽が奉納されます。こちらは無料で誰でも観覧することが可能

さらに15時からは、同じ鏡池水上舞楽台にて「慶讃能」の奉納が。こちらも舞楽と同様、無料で誰でも自由観覧が可能です。

タッキー

舞楽に能なんて見たことないから楽しみニャ!無料なんてありがたすぎニャ!

前年までは練り供養の行列と同じく感染症対策のため中止や鏡池ではなく金鐘ホールでの奉納でしたが、2023年度は数年ぶりに鏡池での奉納が復活予定です。

混雑も予想されるので、確実に見たい!という方は早めに鏡池周辺で場所取りをするのがおすすめです。

ちなみに鏡池での能は、例年聖武祭と10月の大仏様秋のおまつりで奉納&自由観覧があります。

屋台でお祭り気分を味わおう

聖武祭に限ったことではないですが、東大寺南大門前の参道ではお土産店営業の他に屋台も多数出店しています。聖武祭を訪れて屋台で何か購入すれば、まさにお祭り気分を味わえること間違いなし。

本年度は分かりませんが、過去の聖武祭では南大門~大仏殿間の参道にも屋台出店があり賑やかでした。

観光がてら聖武祭で国家平安・病厄退散を祈願しつつ、感染症対策を行いつつも久しぶりにゆるやかなお祭り気分を味わってみてはいかがでしょうか。

アクセス

東大寺大仏殿へのアクセスは下記の通り。

徒歩の場合

    • 近鉄奈良駅から約25分

バスの場合

    • JR・近鉄奈良駅前より市内循環バス「東大大仏殿・春日大社前:下車徒歩5分

    • 近鉄奈良駅からぐるっとバス大宮通ルートor奈良公園ルート「大仏殿前駐車場」下車すぐ

    • JR奈良駅からぐるっとバス奈良公園ルート「大仏殿前駐車場」下車すぐ

ぐるっとバスは運賃100円。市内循環バスは大人220円。

車の場合は、専用の無料駐車場はないので駐車場は周辺のコインパーキング等を利用することになります。

東大寺・県庁周辺では「Pあり」の看板を持った従業員の方が客引きをしている個人駐車場も多いです。大通りに面していないそういった駐車場を利用するのもおすすめ。

まとめ

5月2日は、東大寺と大仏様建立に尽力した聖武天皇が崩御された命日をしのぶ法要が行われる東大寺の聖武祭

法要だけではなく、通常非公開の天皇殿の一般公開・250名規模の練り供養の時代行列・鏡池での舞楽と能の奉納など特別なイベントが目白押しです。

この日に東大寺を訪れる予定の方は、是非厳かながらも華やかな聖武祭を観光スケジュールの中に入れ込んでみてくださいね。

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