観光地・奈良では、期間限定で夕暮れ時の若草山を訪れる特別バスが走ります。
この夕焼けと夜景が見られるトワイライトバスは古都奈良の夜を楽しむ11月の「秋夜の奈良旅」というイベントの一つで実施されましたが、2023年の春3月も運行があります。
今回は、2023年春の運行情報と、2021年の11月奈良若草山夜景観賞トワイライトバスを利用した際の体験談をお伝えします。これから利用する方の参考になれば幸いです!
奈良若草山トワイライト・夜景観賞バス2023年の運行情報
歩いても1時間かからず山頂まで登ることができる低山若草山。ですが暗くなる夕暮れ時に歩いて登ることは滅多にありませんよね。
しかし若草山山頂からの夕暮れと奈良の市街地を見下ろす夜景はすばらしいです。
そんな絶景を車を持っていない人でも気軽に楽しめる期間限定運行のトワイライトバスが、「奈良若草山トワイライト・夜景観賞バス」。
2023年運行情報
- 日程…2023年3月17日(金)~26日(日)期間中毎日運行
- JR奈良駅(東口4番のりば)17:25発
- 近鉄奈良駅(奈良交通20番のりば)17:30発
- 運賃…大人(中学生以上)600円(税込)
- 子ども(小学生)300円(税込)
支払い方法は現金、または交通系ICカードが使えます。
観光バスではなく路線バスなので予約なしの、当日現地受付・先着順です。このバスは約2時間後の19時半頃各奈良駅に戻ってきます。当日でも思い立ったら気軽に利用できます。
週末限定だった秋のトワイライトバスと違って毎日運行なのはうれしいポイントニャ!
到着後の簡単な流れ
- 山頂には17:55到着予定(1時間滞在)
- 18:55山頂出発
- 19:18県庁前
- 19:20近鉄奈良駅
- 19:25JR奈良駅
上記のスケジュールとなっておりますが、桜が開花し観光シーズンとなっている3月下旬の奈良、道路が混み合い到着が遅れる可能性はあるので、あくまで時間は目安です。
また、このトワイライトバスはかなり人気の臨時路線バスのため、車内が混雑し立ち乗りになる可能性が高いです。その点は覚悟してご乗車ください。(後述の体験談をご覧ください)
秋よりあったかいし桜シーズンだから混雑する可能性もあるワン!
秋とは違って平日運行もあるから、ちょっとはマシかもしれないニャ…
我が家は2021年11月20日(土)にこの特別運行バスを夫婦と4歳の子供の3人で利用し、若草山山頂へ行きました。(ちなみに2022年は11月4日(金)~26日(土)期間中毎週金・土曜日の運行でした)
秋のトワイライトバスは、秋夜の奈良旅という観光イベントの一環
2023年春の運行は別イベントとは特に関係なく運行がありますが、秋のトワイライトバスは下記イベントの一環でした。参考までに記載していますが体験談は次の項になるので読み飛ばしてください。
「秋夜の奈良旅」は古都奈良の夜を楽しむことを目的として2020年からはじまった期間中の金土曜日限定のイベントで、2022年は3回目の開催。トワイライトバスもこのイベントの中の一つです。
他に春日大社・元興寺・興福寺で夜の特別拝観(予約不要)が実施されます。中でも今年度一番のおすすめは春日大社です。春日大社では夜間本殿特別参拝に加え春日若宮御造替奉祝万燈籠が特別開催。
境内にある約3000基の燈籠に浄火がともされるのに加え、境内にろうそくの灯りがともされる「燈花会」も同時に行われます。聖地で浮世離れした幻想的な光景が楽しめるはずです。
元興寺では夜間特別参拝に加え、本殿ライトアップと竹あかりが境内に灯されます。普段は非公開の国宝・禅室も一部開扉されるので、外から眺めることができるそうです。
興福寺は21年ぶりに国宝・北円堂の夜間特別拝観を実施。
北円堂自体普段は非公開ですし、そんな北円堂を夜間に拝観して神聖な闇の中で運慶作の仏像の数々を拝むことができるなんて本当に貴重な、滅多にできない体験です。
いざバスで若草山へ【トワイライトバス利用・体験談】
ここからは実際に限定観光路線バスを使って山頂まで行く様子をお伝えします。もっと快適かと思っていましたが、実際はなかなか過酷でした…。(笑)
バス乗車は近鉄奈良駅前
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バスは16時JR奈良駅発で、その5分後に近鉄奈良駅前に到着する予定です。我が家は近鉄奈良駅から乗車。(上のインスタ画像はJR奈良駅前です)
バス乗り場は奈良交通20番のりば、行基像前の横断歩道を渡ってすぐ左手のバス乗り場です。行ってみると、すでに大行列でびっくり…。
パチ屋の行列ではありません、若草山トワイライトバスの行列です。 pic.twitter.com/EOX8AsMAGC
— かっつん (@Rv7Dk8pdumVTJw0) November 11, 2022
予約なしでしたが、こんなに人が集まるとは主催者側も思わなかったのではないでしょうか。この頃は今以上にイベント自体が少なかったので、久々の楽しそうな企画に多くの人が集まったようです。
JR奈良駅からは別のバスが出発したようで、近鉄奈良駅には空のバスが二台到着しました。
どんどん人が乗り込んでいき、イスはもちろんすぐに満席になり通路もこれでもかとばかりに人でああふれかえります。最後にはまさにすし詰め状態。
この状況に文句を言って乗らない人もいました。たしかに、コロナ渦でこの密状態はちょっと怖かったです。ここ数年人混みにもまれることがなかったので、私もちょっと堪えました。
あくまで2021年時の情報です。2022年はこのような状態でないことを願っております。
我が家3人も後方の方の通路に押し込まれました。4歳の我が子が大人に揉まれて大変そうにしているのを見て、近くの席にいた赤ちゃんと男の子を連れたお母さんが息子を席に座らせてくれました。
ほっこり暖かい気持ちに…。感謝です!
近鉄奈良駅から大宮通りを進み、バスターミナルを左折、焼門前の細い道を路線バスで進みます。夕暮れ時の奈良市街地は道が混みます。この日もなかなか前へ進みませんでした。
上のグーグルマップが焼門交差点から大仏池までの細い道。車も多く対向も難しい感じでなかなか進みません。観光イベントっぽく、途中でバスガイドの女性の方のアナウンスで観光案内がありました。
東大寺大仏殿裏の大仏池横から若草山ドライブウェイを登っていきます。けっこうカーブがあって揺れます。
16:40山頂へ到着。夕暮れ具合は?
渋滞の影響もありやっと山頂へ到着したのは、日程スケジュールより10分遅れの16:40頃でした。乗車時間は約30分…。降りるときに料金を支払うシステムでした。
お金を払い駐車場から夕陽が見える山頂までは、森の中の砂利道を少し歩く必要があります。3分ぐらい歩いて、ようやく山頂です!
あたりは大分暗くなってきているので急ぎます。ギリギリ日没に間に合いました!
生駒山の向こうに夕陽が消えていきます。山の向こうへ沈んでいってもすぐには暗くならず、しばらくは夕焼け色が空に残っていました。
海育ちの私は水平線に沈んでいく夕陽を見慣れていたので、山に沈んでいく夕陽は不思議な感じがして新鮮でした。
バスは1時間後の17:30に再び出発予定なので、それまで約50分間山頂で夜景観賞の時間です。日が落ちると少し冷え込んできました。暖かい飲み物を持参するといいと思います。
ちなみに山頂には自動販売機と公衆トイレもあります。
帰りのバスまでかなり時間があったので、我が家は若草山でバスを離脱・歩いて下山することにしました。(予約制ではないですし、特に人数を数えているわけではなかったので)
バスの場合は再びバスに乗車した後18時ごろ春日大社本殿、県庁前、近鉄奈良駅、JR奈良駅で停車して終了です。各停留所は、山頂とは違い降車のみになります。
帰りは歩いて若草山を下山してみた
歩いて下山してみると、意外にもたくさんの観光客がいました。特に外国人観光客が多くてびっくり。外国のガイドブックに載っているのか、もしくはSNSで話題なのかもしれません。
そのため割とにぎやかで、怖さや心細さのようなものは別段感じませんでした。息子はお腹が空いてしまい、途中で山頂で食べようかとコンビニで買っていたパンをベンチに座り食べました。
若草山にもたくさん鹿がいますが、パンを食べていても街中の鹿とは違い積極的には寄ってきませんでした。
草原になっている山肌に沿って歩いて下山していくと、空が広くて目の前の夜景はきれいで、とても気持ち良かったです。寒すぎなくて、星もきれいに見えました。
若草山登山の記録。#photograph#photography#若草山#自然#空のある風景 #写真好きな人と繋がりたい #写真を撮っている人と繋がりたい #写真を撮るのが好きな人と繋がりたい #ファインダー越しのわたしの世界 pic.twitter.com/9fyrsuvhf1
— hayami (@hayami_photo) June 21, 2018
最後は森の中の階段を降りるルートです。ここは少し暗くて足元が悪いので、スマホのライトを付けて進みました。こちらも私たち以外にも人がたくさん歩いていて安心でした。
子供がいて途中で休憩しがてら、写真撮影しがてらですが、かかった時間は40~50分ぐらい。18時には若草山山麓の料金所のところまで下山できました。
バス好きの我が子とトワイライトバスを楽しむ予定が夜の若草山下山になってしまいましたが、とても楽しくリフレッシュできました。家族にとってかけがえのない思い出になりました!
終わりに
昼間とは違う魅力のある、静寂とほのかな灯りに包まれた奈良の夜。冬になると寒すぎてなかなか夜外出は厳しいですが、今の時期ならまだ夜観光も楽しめます!
トワイライトバスは混み合うことは予想されますが、若草山から奈良の夕陽と夜景が楽しめる貴重な機会。
乗車時間は30~40分程度なので、ここでしか見られない美しい景色を見るために利用してみてはいかがでしょうか。