少し前になりますが、7月23日地蔵盆の日に奈良市のきたまちで行われた六地蔵めぐりのイベントに参加してきました。きたまち内の6つ以上のお地蔵様を約2時間かけて巡った記録です。
地蔵尊があちこちに点在している奈良きたまち。きたまち観光がてら地蔵めぐりをされる方の参考になればうれしいです。
2023年7月23日は地蔵盆。地蔵盆とは?
奈良市の旧市街と呼ばれる「ならまち」「きたまち」「京終(きょうばて)」では、道を歩いていると至る場所で様々な石仏のお地蔵様が大切に祀られている光景に出会います。
毎年7月23日か24日頃に行われる地蔵盆は、お寺や地域の方々によって大切に祀られているお地蔵様を供養する日。
奈良では、中世以降「浄土へ導いてくれる地蔵菩薩は春日明神の化身」といわれ地蔵信仰が盛んに。
その影響か、春日大社のおひざ元である奈良公園周辺の地域にはお寺以外でも様々な地蔵尊が祀られ、今でも大切にされています。詳しく知りたい方は下記リンク記事をご覧ください。
各町内ではこの日に地蔵尊に提灯をかかげ供物を供え、供養をします。コロナ渦で大分減りましたが、縁日が出る町内も多数。
訪れた子供にお菓子を配るところもあって、この日は多くの子供がウキウキしながらお祭り気分で大勢出てきます。
また、地蔵尊を祀るお寺では夕方頃から法要や数珠繰りが。老若男女の姿が見られる、ほっこりする地域のお祭りです。
地域のお祭りだけど、観光客でも誰でもウェルカムな雰囲気ニャ!
コロナ渦以前に比べると、各町内でのお祭り縁日はかなり縮小され、供養だけになったところもかなり多いですが、徐々に復活の兆しが。
2023年度は近鉄奈良駅を出てすぐの花芝商店街(地蔵尊あり)では、商店街をあげて縁日が開催され出店が多数出ていたようです。観光客の方にもうれしいイベントですね。
参加無料の「奈良きたまち六地蔵めぐり」
我が家は地蔵盆に合わせて開催されていた「奈良きたまち六地蔵めぐり」に家族で参加してきました。
当日はお日様の高い13時集合16時解散。晴れでかなり暑く、歩けるか不安もありましたが、
参加無料・予約不要。しかも途中解散可
という誰でもウェルカムな雰囲気に惹かれ、子供連れで参加。
近鉄奈良に引っ越してから10年になる私も、各地蔵尊の存在は知っていても恥ずかしながら由来や歴史は知らないことが多々。
普段何気なく通っている道沿いの地蔵尊について知る貴重なチャンス!
ということもあってか、地元の方の参加も多いようでしたが大阪から来ているという方も。
老若男女合わせて30人ぐらいは参加していたのでしょうか、思ったよりも若い人も多く、大人数で楽しかったです。
由来を知れば、日々のお地蔵様の見方も変わりそうニャ!
これが無料で良いの?というような、しっかりとしたイベントで、暑かったですが参加して良かったな~と本当に感じたので、記事にしてみました。
きたまち観光がてら、地蔵尊巡りをされる方は参考にしていただければ幸いです。
散策コースをご紹介
「奈良きたまち六地蔵めぐり」は、奈良地蔵研究会の主催で、13時~16時の約2時間で6か所を巡るというなかなか盛りだくさんなコース。
ポスターにもひっそりと「健脚向き」と書かれていましたが、その通りで1万歩ほど歩きました。坂道も途中あり、良い運動になりました。
訪れた場所(コース)
- 転害門
- 東大寺念仏堂
- 五劫院
- 夕日地蔵尊
- 佐保川地蔵尊
- 普光院
- 念聲寺
どこもお地蔵様を祀るお寺や祠です。すでに6個ではなく7個の地蔵尊になっていますし、実際はもっとたくさんの地蔵尊を見学しました。順を追って、簡単に説明していきます。
集合場所:転害門観光案内所(転害門地蔵尊)
集合場所は、転害門(てがいもん)。まずはこちらの観光案内所でパンフレット等をいただき、まずは本日の動きや注意点について説明を受けました。
今回の行事はお坊さんも同行し、各地蔵尊でお経をあげてくださいました。(ありがたや)
東大「寺」の門にも関わらず、15mにも及ぶ大しめ縄がかけられた転害門。不思議ですよね。
東大寺創建時に聖武天皇が二月堂近くにある手向山天満宮に九州宇佐八幡宮から守護神をお迎えするときに神様が通った門のため、しめ縄があるのだとか。
数々の戦火や災害で創建時の建造物はほとんど残っていない東大寺ですが、この転害門は奈良時代(天平時代)唯一の遺構で国宝に指定されています。
通常の観光コースからは外れますが一見の価値あり!(※門をくぐることはできません)
そんな転害門横にも石仏の地蔵尊が祀られており、地蔵盆のこの日は転害門にも行燈や幕が下げられ華やかな雰囲気に。夜は灯りが入れられ、美しくライトアップされるようです。
今回のイベントではこのまま転害門横の脇道を抜け、鼓阪(つざか)小学校前を通り大仏池横の道から、東大寺二月堂に続く大仏殿裏の道を進みました。
東大寺念仏堂(地蔵菩薩立像)
東大寺念仏堂は通称「奈良太郎」と呼ばれる東大寺の大鐘前にあります。この大鐘には何回も来ていますが、念仏堂がここにある、ということをこの日まで知りませんでした。(恥)
鎌倉時代に建てられたお堂は、国の重要文化財。念仏堂お堂の奥には朱色の建物「英霊舎」があり、念仏堂と木の廊下でつながっています。
第二次大戦で亡くなった英霊をお祀りしている場所だそうなので、参拝したらこちらにも祈りを捧げておきましょう。
こちらでは御朱印もいただくことができました。
お堂に入ると、大きな坐像の地蔵尊のお姿が…。お堂と同じく鎌倉時代に仏師によって造立された仏像です。
地蔵尊は、大地の仏様。全ての生き物をはぐくむ大地のようにどんな人でも救ってくださる慈悲深い仏様です。
お釈迦様亡き後、56億7000万年後に弥勒菩薩が現れるまでの果てしなく長い間、私たちを導いてくれるのが地蔵尊なのです。
念仏堂の大きく堂々とした凛々しい地蔵尊は街中にある石仏の地蔵尊とは異なり、優しさだけではなくまさに大地そのものを感じさせる威厳を感じました。
大仏殿とは違い人も少なく落ち着いたお堂なので、ゆったり見学できます。お寺の左側にある社務所に声をかけると無料拝観させてもらえるので、是非参拝してみてください。
こちらでは東大寺の方のご厚意で、特製うちわを5個限定でいただけることに。参加者の中から見事じゃんけんに勝ちゲットすることができました。(笑)このイベント、本当に無料で良いのでしょうか…。
後半へ続きます。
まとめ
とても見ごたえがあった「奈良きたまち六地蔵めぐり」のイベント。思った以上に充実していて、記事が長くなってしまったので、2記事に分けることにしました。
前半のこの記事では、地蔵盆について・参加したきたまち六地蔵めぐりのイベントについて、転害門地蔵尊~東大寺念仏堂までをご紹介しました。
後半では、さらにディープな奈良の地蔵巡りの様子をご紹介しますので、お楽しみに!