奈良市議会議員・ 山出 哲史(やまで てつじ)氏は、地域活動や福祉現場での実務経験をもとに、市民の暮らしに寄り添う政治を目指して2017年に初当選した現在2期目の議員です。
この人ってどんな議員?何をやってきたの?そんな素朴な疑問に答えるために、山出議員の活動や発言を市民の目線でギュッとよみやすく整理してみました。
選挙での議員選びの参考にもなるよう、できるだけ偏りなく情報をまとめています。
👨💼 山出哲史 議員プロフィール
氏名: 山出 哲史(やまで てつじ)
年齢:66歳(2025年6月時点)
出身:奈良市(昭和38~39年生まれ)
会派:無所属
委員会:総務委員会・行財政改革及び公共施設等検討特別委員会
当選回数:2回(初当選:2017年※58歳)
経歴概要:
奈良市立飛鳥小学校、春日中学校、奈良高校を経て、関西学院大学商学部を卒業。
東急観光で営業職に16年間従事したのち、38歳で出会った一冊の本に衝撃を受け福祉の道へ転身。
以後、在宅介護支援センター、奈良春日病院、青葉仁会などで福祉現場とマネジメントに17年携わる。
地域活動歴は22年におよび、六条地区を拠点に自治会・防災・高齢者支援・子ども見守りまで幅広く活動。
「『誰もでけへん』をやっていく」を掲げた2度目の挑戦で奈良市議に初当選。現在2期目。
“ふれあい支えあいのまちづくり”を一生涯の仕事とし、現場感覚を強みに地道な支援と制度づくりを進めている。
注力分野:障がい者福祉と権利擁護/防災・防犯対策と地域安全/市民参加型のまちづくり支援
主な所属団体:
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六条地区社会福祉協議会 事務局
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六条三丁目自治会長/六条校区自治連合会Cブロック長
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月見ヶ丘五月会(敬老会)会長
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奈良市少年指導委員(京西中学校区)
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奈良県防災士会会員/DWAT(災害派遣福祉チーム)員
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NPO法人あうんの会(法人後見)
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奈良ストップ温暖化の会/奈良公園ゴミゼロプロジェクト実行委員 ほか多数
※当ブログでは、肖像権・著作権の観点から、議員の顔写真は使用しておりません。議員の詳細なプロフィールや顔写真は、各公式サイトや奈良市議会ホームページのリンクからご確認ください。
🧾 議会での発言・質問内容とスタンス(評価つき要約)
※議事録からの客観的記録に基づき、発言要旨と議員の考え方を整理して紹介します。
🎤 発言回数と傾向(2021〜2025)※個人質問のみ
▶ 発言件数:現任期(2021〜2025年)の市議会の中で本会議・臨時会(124件)委員会(512件)を通じて636件(奈良市会議録検索システムによる集計)。
議長として発言が123件。
山出議員は、各定例会で必ず質問を行うなど、継続的な姿勢も評価されます。
質問内容は福祉・医療・介護など生活現場に寄り添ったものが多く、地に足のついた実務派といえます。
🧾 議会発言より(個人質問の一部抜粋要約と評価)
2025年3月|定例会
福祉と防災の連携強化について
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山出議員は、過去8年間の奈良市の防災・減災に関する政策の流れを丁寧に整理して確認しました。
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特に令和6年度の「災害に強いまち」、令和7年度の「すべての人が安心して生活できる防災・減災」という表現に注目し、その意味の深さを強調しました。
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福祉部がこの1年で進めた「庁内ワーキンググループの設置」「福祉避難所の機能向上」「職員向け災害対応マニュアルの新設」などの取組を評価しました。
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現場での訓練や研修なども実際に見学しており、実務の中身にも目を向けています。
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福祉部に対しては「復旧・復興」の言葉も加えてほしいと要望を出し、災害後の支援にも注力すべきと提案しました。
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危機管理監には庁内連携の進捗を確認し、多くの部署が連携する動きができたことに前向きな評価を述べました。
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国の防災基本法・災害救助法の改正の動きを紹介し、奈良市の方向性がそれと一致している点に注目しました。
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最後に「この施策を進めるための職員体制の強化」を要望しました。
2024年12月|定例会
奈良市立学校の修繕・改修体制について
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奈良市には64の小中学校があり、校舎などの修繕は各学校からの要望ベースで進んでいる(いわゆる申請主義)。
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令和4年度は286件の要望に対し217件が対応済だが、残りの57件の対応状況を確認。
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各学校に大規模改修の実施計画(いつどこをどう直すかの計画)がないことを問題視。
大規模改修の必要性と現場の声について
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外壁塗装や屋上防水、体育館の床など、予防的な大規模改修が行われていない状況は教育環境の悪化を招くと指摘。
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「卒業した小学校の壁が汚れていて悲しかった」という学生の声を紹介し、現状のままでは子どもたちにとってよくないと訴え。
現場任せにせず、全体計画をつくるべきという提案
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各校長が短期間で交代する中、現場任せでは改修の優先順位が見えず、結果的に不公平が生まれると問題提起。
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自身の病院勤務経験をふまえ、「施設管理には全体計画が不可欠」と説得力ある例を挙げた。
新校舎建設(佐保・鼓阪小の統合)への疑問と確認
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新校舎建設が「教育大綱を形にするチャレンジ」であり「国内モデルになる」と市長・教育長が語ったことを確認。
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その先進性に異論はないが、教育委員会での正式な協議記録がない点を問題視。
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地域住民とは話し合いがあったが、組織としての意思決定プロセスが不透明であると指摘。
- 山出議員は、教育施設の整備において現場任せではなく、全体を見渡した公平な計画の必要性を強く訴えています。現場の声や自身の経験をもとに、説得力ある具体例を用いながら丁寧に問題提起しています。
- 行政の姿勢に対しては是々非々の立場で、必要な点には厳しく指摘しつつも対立的ではなく建設的です。
- 子どもたちの教育環境を守るために、ハード整備の公平性とプロセスの透明性を重視する実直な姿勢がうかがえます。
2023年12月|定例会
市民参画の機会についての確認と提案
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奈良市では「市民参画条例」があるのに、市民の声を取り入れる機会が少ないと指摘。
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9月の委員会で「市民参画の場を増やしてほしい」と市長に提案し、今回はその後の具体的な進展を質問。
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市長の答弁が質問の主旨とずれていたため、「はいかいいえ」での明確な返答を求めるなど、論点を丁寧に確認。
過去の参画軽視事例をふまえた問題提起
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公民館や総合福祉センターの廃止の進め方は、市民の意見を軽視したものだと指摘。
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他にも、水道の広域化や市役所の窓口閉鎖、新教育方針の発表など、過去の事例から参画不足の問題を挙げた。
「地域との対話」と「職員の育成」についての意見
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市長が各地域の対話に直接参加することは大切だが、職員に任せて育成の機会にすべきと提案。
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市長が先に答えてしまうと、職員が発言しづらくなり、成長の妨げになると具体的な場面をあげて説明。
障害者団体の提言と市民参画のあり方についての意見
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総合福祉センターの廃止に関する障害者団体の緊急提言を取り上げ、市長が都合のいい意見だけを引用しているのではと疑問を呈した。
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「市民参画」はただ聞くだけではなく、意見をどう生かすかが大事だと主張。
- 山出議員は、市民の声が反映される市政運営こそが本来のあるべき姿だと強く信じておられます。市長への質問も、責めるのではなく改善を促す冷静かつ建設的な姿勢が際立っています。
- 現場職員の育成や参画のプロセスの丁寧さにもこだわり、将来を見据えた視点で提案を重ねています。
- 市政に対して常に誠実で、現場感覚に裏打ちされた実務的でやさしいまなざしを持つ議員です。
🧭行動履歴・活動実績(客観的に確認できる動き)
※以下は議員通信・SNS・視察記録・市議会公式サイトなどで確認できる「実際に行ったこと」に基づく内容です。
📝 最近の主な行動(山出議員)一部抜粋
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2025年3月
・六条校区まちづくり協議会 健康・福祉部会 会議
・権利擁護センター ぱあとなあ・なら 全体会議2025年2月
・第56回 奈良公園ゴミゼロウォーク 参加
・認知症ケア技法「ユマニチュード」講演会(六条地区社協 主催)2025年1月
・全国弁護士等 能登支援会議 in 奥能登 参加
・障がい者支援事業所との意見交換 -
自作の市政報告「山出てつじ活動レポート」を紙やネット上で定期的に発行配布。カラフルで図解も多く、議案やその経緯、山出議員の考えも分かりやすくまとめられていました。
📌 選挙時の主張(2021年・選挙公報より)と進捗状況
山出てつじの ふれあい・支えあい の まちづくり
【地域への思い】×【現場経験】×【つながり】
2期目も「誰もでけへん」をさらに、やっていく!
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奈良市で生まれ育ち!学びました!!
(飛鳥小→春日中→奈良高→関西学院大商学部卒)民間企業16年!福祉の現場17年!まちづくり歴22年!!市議4年!!
【資格など】
社会福祉士・精神保健福祉士
介護支援専門員・防災士・成年後見人【主な所属】
奈良県社会福祉士会子ども家庭支援委員会
奈良県災害派遣福祉チーム員
特定非営利活動法人(法人後見)理事
六条地区社会福祉協議会 事務局
当時の選挙公報にはスローガン的な言葉のみで、具体的な政策内容は書かれていませんでした。
🧭山出議員の理念・信念
<公約>
ふれあい支えあいのまちづくり
「一人ぼっちがいない」
そんなまちをつくります。
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「ふれあい・支えあいのまちづくり」が奈良市民の“こころ豊かな生活”を支える鍵であると位置づける。
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現場での市民・専門職との協働を重ね、実践を通じて政策に反映する姿勢を貫く。
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誰ひとり取り残さない地域社会の実現をめざす。
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人と人がゆるやかにつながり、助け合える関係性をまちの基盤とする。
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環境や制度の変化にも対応し、現場力を生かした実効性のあるまちづくりを重視する。
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「人が人を支える社会」をライフワークとし、福祉の視点から地域を根本から支え続ける。
【具体的な政策】
※公式サイトに明記はなかったため、調べた内容に基づく推測考察になります。
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福祉の現場支援
障がい者支援・認知症ケア・権利擁護など、当事者や支援現場との対話・連携を重視。 -
地域福祉と健康づくり
校区単位での健康・福祉活動に継続的に関わり、地域包括ケアの推進を支援。 -
環境美化と市民参加
奈良公園ゴミゼロウォークなどの市民清掃活動への参加を通じ、環境意識の醸成に取り組む。 -
災害支援と全国連携
全国的な災害支援ネットワーク(例:能登支援会議)への参加を通じ、広域的な支援体制への関心も示す。
進捗
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山出議員は、福祉や地域ケアに関する現場との継続的な対話や参加を通じて、着実に課題把握と信頼関係の構築を進めている様子がうかがえます。
奈良公園の清掃活動など市民参加型の取り組みにも積極的で、環境意識の醸成にも一定の成果が見られます。
記載しなかった政策進捗については確認がとれませんでした。前任期の政策進捗達成については公式HPに詳しく記載されていたので、山出氏の政策方針の一部として、選挙投票時の参考にしてください。
💰 政務活動費(令和5年度)
政務活動費は資料費・印刷費・会議費・交通費などに使用されます。山出哲史議員の政務活動費の詳細は奈良市議会のPDFにて公開中ですのでご確認ください。
🔗 関連リンク
公式サイトを主な情報発信として利用されているようで、サイト内は更新頻度が高く、比較的見やすかったです。山出議員の議会発言や議会レポート、活動レポートなどをまとめてみることができます。
SNSのFacebookは2023年から更新ストップとなっており、あまり活用されていないようです。
📌 市民として読み解くポイント
山出哲史議員は、福祉・防災・教育環境を軸に、誰ひとり取り残さない「支え合う地域づくり」を掲げて実直に取り組む奈良市議です。
現場経験に基づく具体的な提案力と冷静な議論運びが強みで、制度改善を市民目線で積み重ねています。
今後は若い世代や外から来る市民にも伝わる、より開かれた情報発信に期待です。
🧾 総合的な評価と考察
山出議員は、落ち着いた姿勢と誠実な論調で、行政との対話において冷静に論点を整理し、市民の疑問や不安に丁寧に応える姿勢が特徴です。特に、市長や行政の発言や提案については事前に資料を精査し、誤解や曖昧さをそのままにせず確認を重ねたうえで発言するなど、対立よりも納得のある議論を重視する中庸的な調整型のスタンスがうかがえます。
重点分野では、障がい者支援や高齢者福祉、地域の防災・防犯対策に継続的に取り組み、日常に根差したテーマに現実的な視点から向き合っています。また、福祉分野での講演参加や地域活動にも足を運び、制度だけでなく現場の声を丁寧にくみ取る姿勢も見られます。
情報発信の中心は公式サイトに限られますが、更新は比較的安定しており、議会レポートや活動履歴の整理からは透明性の意識もうかがえます。今後はSNS発信の利用による、より開かれた情報発信が期待されます。
全体として、市民の生活感覚に寄り添いながら、静かに信頼を積み重ねるタイプの議員といえるでしょう。
※本評価は2025年6月時点の議会発言、公開プロフィール、地域活動実績に基づいた中立的な要約とそれに基づく一市民目線での評価と考察です。