2025年7月の奈良市議会議員選挙が終わり、10人の新人議員を含めた新メンバー新体制の奈良市議会が誕生しました。新しい奈良市議会の会派が公式HPに掲載されていたので、一覧シェアします。
市議会に「会派」はありますが、会派に属さない無所属議員も多数。注目の新人・へずまりゅう市議も無所属議員の一人ですが、会派に属さないメリットデメリットはあるのか?
また会派に入るメリットは何なのかが気になったので、あわせて調べまとめてみました。
※本記事は、7月選挙を機に奈良市議会について調べ始めた一般市民による記録です。正確を心がけていますが、誤りや不十分な点があればご指摘いただけると幸いです。
【2025年7月選挙後】奈良市議会の会派・所属者一覧
下記は、2025年8月12日地点で、奈良市議会公式HPに掲載されていた選挙後・新メンバーでの会派一覧表です。会派数は全部で6個+無所属議員でした。
6名
- 井久保 裕也(無所属・新人)
- 植村 佳史(元職)
- 太田 晃司
- 道端 孝治
- 八尾 俊宏
6名
- 早田 哲朗
- 田畑 日佐恵
- 真鍋 弘美(新人)
- 宮池 明
- 山口 寛(新人)
6名
- 北邨 翔平(新人)
- 木下 修平(新人)
- 佐野 和則
- 中川 康(新人)
- 柳田 昌孝
4名
- 北村 拓哉
- 白川 健太郎
- 山本 直子
4名
- 榎本 博一
- 鍵田 美智子
- 塚本 勝
3名
- 柿本 元気(元職/立憲民主党)
- 阪本 美知子
10名
-
- 江川 友梨(新人/国民民主党)
- 岡本 誠至
- 尾崎 暢子(新人/参政党)
- 階戸 幸一(元職)
- 下村 千恵
- 内藤 智司/国民民主党
- 原田 将大(へずまりゅう)(新人)
- 松石 聖一
- 松尾 浩司(新人)
- 松下 幸治(元職)
※元職・新人の記載がない議員は、前回に引き続き再当選の続投議員です。
無所属議員の内訳
奈良市議会では「無所属」とひとまとめにされていますが、実際には上記の通り、出身政党や立候補の経緯が異なる議員が含まれています(令和7年8月時点)。
👉 このように「無所属」といっても背景はさまざまです。無所属議員は議員39名中10名と総数の約四分の一を占め、最大会派である自民党・公明党・日本維新の会(各6名ずつ)会派単独よりも総数では無所属が一番多くなります。
7月の奈良市議会議員選挙で得票率1位、3位、5位だった3名の議員(尾崎氏・へずまりゅう氏・江川氏)が無所属というのも、新たな風を感じさせる興味深い点ではないでしょうか。
今後の委員会配分や議会での発言スタイルにどのような影響が出るのか、市民からの注目点といえるでしょう。
選挙前の会派と変わった点
- 「市民ひろば」という新しい会派が誕生
- 「新世の会」という無所属議員中心の元あった会派が消えた
- 「新世の会」のうち幹事長だった内藤智司議員は無所属へ、樋口清二郎議員&阪本美知子議員は「市民ひろば」へ、鍵田美智子議員が、「自民党・無所属の会」へ加入
- 以前は公明党・共産党が各6名で最大派閥だったが、今回は公明党・日本維新の会・自民党の3つの会派が各6人で最大会派に。
会派とは?なぜあるの?
会派とは、議員がグループを作って活動する単位のことです。
議員が40人近くもいる中で一人ひとりがバラバラに動くと議会が回らないため、会派ごとに質問時間や委員会枠を割り振る仕組みになっています。
政党と会派は必ずしも一致せず、同じ政党でも別会派に分かれることもあれば、無所属同士が集まって会派を作ることもあります。
会派に入るメリット・デメリット
- 🗣️ 質問機会が増える(代表質問の枠がある)
- 🧩 委員会ポストを確保しやすい(会派ごとの人数配分)
- 🕹️ 議会運営委員会に参加できる(議会のルール作りに関与)
- 👑 役職につきやすい(委員長・副委員長、議長など)
- 🏛️ 行政への働きかけで有利(会派として要望できる)
- 📬 情報が入りやすい(会派内での共有)
代表質問=会派の総まとめ/個人質問=各議員の特色
共通テーマは代表に任せ、個別課題は各議員が質問することで、時間を効率的に使えます。
※奈良市議会における実際の一人当たりの持ち時間は未確認なので、あくまで例となります
会派に入るデメリット
- 会派の方針に縛られる
→ 個人の考えよりも、会派全体の意見を優先せざるを得ない場面がある - 自由な発言がしにくい
→ 特に代表質問や議案に対する態度は、会派内で事前に調整されることが多い - 市民から「政党色が強い」と見られる可能性
→ 政党会派に所属している場合は、国政の方針や党のイメージがつきやすい - 小さな会派では影響力が限定的
→ 人数が少ないと、会派に属していても議会運営への影響は限定される
会派に入らないメリット・デメリット
- ✨ 自由に発言できる(会派の方針に縛られない)
- 🗣️ 市民目線で動きやすい(地域課題に集中できる)
- 🔀 しがらみが少ない(柔軟に賛否を判断できる)
ただしデメリットも大きい
- ⏱️ 質問時間が少ない(個人枠のみ)
- 🧩 委員会配属は議長任せ(希望通りにならない場合も)
- 🚪 議会運営委員会に入れない
- 👥 人事で不利(委員長・副委員長のチャンスが少ない)
- 📢 影響力が小さい(会派の声としての重みがない)
👉 無所属=「自由さ」と引き換えに「発言力・影響力」が限られるのが実態です。
政党会派ってどうなの?(例:自民党会派)
Q. 国政みたいに政党がすべてを決めるの?
A. 奈良市議会のような市レベルでは、国会ほど政党の縛りは強くありません。
ただし、会派の人数配分や役職人事では政党会派が優位になる場面が多いのも事実です。
🟢 メリット
- 党本部や県連とのネットワークで政策支援が厚い
- 人数が多ければ議長・副議長・委員長ポストに就きやすい
- 会派として行政への要望に重みや信頼感が出る
- 選挙の時に、政党の看板が後ろ盾となる
🔴 デメリット
- 党の方針に縛られ、独自の動きがしにくい
- 市民より「党の都合」と見られるリスクがある
- 自由な発言や独自提案が制限される場合がある
👉 まとめると、政党会派は「力は強いが自由度は低い」。無所属はその逆で、奈良市議会でもこのバランスが議会の空気を大きく左右しています。
政党会派の最近の傾向・議会への影響(簡単に)
あくまで前任期での傾向ですが、議事録からは次のような姿勢が見られました。
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- 自由民主党会派(旧・結の会)、日本維新の会、公明党 → 市長の姿勢に対して対立気味
- 自由民主党・無所属の会 → 市長側と歩調を合わせる場面が多い
参考資料(令和6年6月定例会 議決結果・賛否一覧表PDF)
奈良市議会:定数39
自民+公明+維新=18/39(約46%)
この3会派はこれまで市長提案に対して厳しい姿勢をとる場面があり、意見が一致した案件では議会内で大きな影響力を持ちうると考えられます。
ただし、議決は出席状況や他会派・無所属の賛否で変動します。
まとめ
今回の記事では、新たな奈良市議会の会派構成や無所属議員の立ち位置、さらに政党会派の傾向について整理しました。
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- 会派は議員がまとまって活動するための単位で、質問時間や委員会配分に影響する
- 無所属議員も委員会には配属されるが、会派のような追加の持ち時間はない
- 前任期では、自民・維新・公明が市長に厳しい姿勢をとる場面があり、合計18名で議会内に大きな存在感
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これから始まる新しい任期では、各会派や無所属議員がどのような姿勢で議論に臨むのか、注目です!イチ奈良市民としては、新体制のもと、良い方向に議案議会が前進することを願ってやまないです。
新体制でのはじめての議会(臨時会)は2025年8月19日~開催予定です↓