2匹の室内犬(トイプードル)と暮らして9年目の我が家。リビングは8畳の畳部屋ですが、犬の爪でボロボロ傷だらけ、畳に座ると畳カスがついてしまうという事態に陥りました。
この状況をどうにかしたくて選んだ修復方法が、畳の上敷きを敷き詰めるという方法。既存の畳の上に上敷きを敷いて1年以上が経ちました。上敷きの選び方・敷き方と実際の使い心地をレビューします。
我が家の犬と畳
我が家は昔ながらのザ・古民家で、多少のリノベーションはしてあるものの、メインの部屋は8畳の和室です。
洋室やダイニングルームは空調設備が整っていないため、ほぼこの部屋で家族全員が生活しています。
室内犬を飼うのははじめてでしたし、9年前室内犬を飼うことになって、畳は傷つくかもしれないから他の部屋で犬を飼おうなどという考えは全く浮かびませんでした。
実際2匹のトイプードルと9年間暮らしてみると、ボール遊びをしたりして部屋を走り回ることで畳に爪がひっかかり傷がつくようで、3~4年目ぐらいで畳の傷やささくれが目立つようになりました。
2匹目の犬・クロはおもらし犬で、特に小さい頃はしょっちゅう畳でおもらしをしていたのですが(今も時々…汗)、掃除しても畳に変色が残ることも多々。
どんどん傷ささくれと汚れが目立ちだしましたが、そのうち畳カスが出るようになりました。
畳に座ると服はカスまみれ、廊下にも軽いカスは毎日飛び散り、朝掃除機をかけても昼には廊下までカスだらけという日々を送り大きなストレスとなっていきました…。
敷いていたカーペットは裏も表もカスだらけ。繊維に挟まってコロコロをしても取れません。来客の際は畳に座らないようにお客様にお願いしてましたが、神経を使いますし本当に憂鬱でした。
他にも和室はありますが、犬が走り回るこの部屋だけが畳傷とカスがひどかったので、犬が原因なのは明らかでした…。
ボロボロの畳でも快適に過ごすための対策を考える【方法は3つ】
とにかくこの畳カスの呪縛(掃除)から解放されたくて、解決方法を調べまくりました。すると大まかに3つの方法がありました。
- 畳そのものを張り替える、裏返す
- 洋室にリノベーションする
- 畳の上に違うものを敷く
畳そのものを張り替える、裏返す
畳そのものを張り替えたり裏返したりすれば畳カス問題はスカッと解決しますが、同じように犬と暮らしていたらまた3~4年後には畳が傷つき同じようにカスが出るに違いありません。
張り替えや裏返しは基本的に業者さんにお願いしてしなくてはならないので、お金もかかります。
もしも張り替えるなら、犬のひっかき傷にも強い特殊な畳に張り替える必要があります。こういった畳に張り替えとなると10万、20万円はパッと飛んでいきます。
我が家は賃貸物件。いつ引っ越すかも分からないですし、そこまでお金をかけることは考えられなかったため、この方法はやめました。
洋室にリノベーションする
和室を洋室にリノベーションする方法が一番暮らしやすくなるし良いなと思ったのですが、畳を撤去しての本格リノベーションは賃貸なので出来ませんし、そこまで予算もかけられません。
DIY(セルフリノベーション)でやるならば既存の畳の上に防虫防カビシートを敷いてフローリングシートやマットを敷くという方法がありました。
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しかし畳の上に別のものを敷くというのはダニやカビの温床になる行為なので、もしするならば定期的にフローリングをはがして既存畳を点検、風通しや掃除をする必要があります。
我が家の和室には、重たいスピーカーやテレビ台、棚に本棚など家具がたくさん置いてあります。フローリングマットを敷くならば家具の下も含めて部屋全体に敷き詰めないといけません。
フローリングマットを敷くときは頑張れても、定期的に重たい家具をどかして点検掃除など、そもそも掃除嫌いでズボラな私、絶対にやらない自信がありました…。
この方法をやってみて畳とフローリングの間にアリがわいたという人の話も聞いたので確認を怠るのは恐ろしいです。
ということでこの方法も却下となりました。(汗)フローリングにすればおもらしや嘔吐の片付け、子供の食べこぼしなども簡単に掃除ができるので本当はこれをしたかったのですが無念です。
畳の上に違うものを敷く
最後の策は、畳の上に違うものを敷くという方法。大きめのカーペットやラグでも良かったのですが、最終的に、我が家が選んだのは畳の上敷きを敷き詰めるという方法。
フローリングマットを敷くのと変わらないような気もしますが、上敷きはゴザをもう少し頑丈にしたようなもの(畳の表面だけのような)なので、通気性があります。
上敷きはラグのように洗濯やコロコロの必要もなく、まるで畳かのように掃除できるので楽です。(ズボラ)
畳の保護するという役割を持って生まれた商品ですし、これならばカーペット類に比べればカビやダニの心配はないだろうと思い、購入を決意。
3万円以内で購入可能で原状復帰も簡単なので賃貸の我が家にもぴったり。しかも上敷きは片面がダメになったら裏返してもう片面を表にして使うことができます。コスパも◎!
さらに見た目は畳なので、和室を今までの雰囲気のまま使うことが可能。(掃除は大変ですが、畳のある和室の雰囲気は好き…複雑な思い)
我が家が購入した畳の上敷き
調べてみると、上敷きにも色々と種類がありました。やはり国産イグサのものは高く、中国など海外産のイグサのものはお値段安め。
我が家は車を所持していないので対象外でしたが、各ホームセンターや大手だとニトリなどでも上敷きの販売はあるようです。車のある方は一度のぞいてみても良いかもしれません。
こだわりだしたらキリがないので、2万円以内と予算を決めた上で上敷きを探しました。その結果、我が家が購入したのはこちら。
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い草 上敷き 備前(本間8畳・双目織り)
私が購入したのは2021年夏で13530円でしたが、時期によっても多少変動があるようです。
購入の決め手となった点
- 予算以内の値段(2万円以内)
- 撥水・防カビ加工済み
- 日本に近い環境で丁寧に作られた中国い草使用
- 自社検品センターで検品してから輸出
犬もですがまだ幼い子供もいる我が家。飲みこぼしも多く、畳にこぼされるだけでイライラ、無駄に怒ってしまいます…。(フローリングならそんなに怒らないのに)
撥水加工があればおもらしでも慌てふためく必要はありません。撥水加工がされているという点が、特にポイントが高かったです。
さらに防カビ加工もされているので、敷きっぱなしでも多少の安心感があります。
特にアマゾンを見ているとよくわからない中国企業から格安の上敷きが販売されていたりして品質に疑問を感じ不安になりますが、
中国い草でも、こちらの商品はきちんと自社(日本企業)で生産検品管理されているのでヨシ!と思い購入を決めました。
上敷きを既存の畳に留めるために使う上敷き鋲はアマゾンが安かったので、こちらを別購入しました。鋲頭が透明でいい感じ。
8畳の場合はきれいに仕上げようと思ったら56本ぐらい必要らしいですが、50本でもしっかりと固定できました。
※必要鋲数は((横の長さ÷25cm)+(縦の長さ÷25cm))×2)-4で計算できます。
四季物広場公式ホームページより
とあったので、上敷鋲購入本数の参考にしてください。
実際に敷いてみた
実際に敷いたのは2021年夏の夕方。とても暑い日でしたが、夫と一緒に和室にある家具の移動を頑張って全てどかし作業をしました。
ブログをはじめる前だったので張り替えの画像をほとんど撮っておらず、分かりにくかったらすみません…。(汗)
作業手順
- 既存の畳に掃除機をかける
- 既存の畳を乾いた雑巾(柔らかい布)で乾拭きする
- 上敷きを広げ長辺の短い方の端から既存畳の縁に上敷き鋲を差す
- 片側の端全て固定できたらたるみを伸ばしながら上敷きを広げ、反対の端も固定
- 側面の端を上敷き鋲で固定し完成
- 上敷きを乾拭き
ざっとこんな感じです。詳しい手順と敷き方の動画は、下記をご覧ください。我が家もこちらを参考に作業しました。
築約100年の我が家は家のゆがみもかなりあり、そもそも部屋がきちんとした長方形になっていないようで上敷きが足りず少し既存の畳が見えてしまっているようなところもありました。
無理やり引っ張ったりしたためか、そもそもの敷き方が下手なのか、敷いてみると凹凸が目立つ部分が多数。
それでも新品のようになった畳は、い草の良い香りが最高で色も青々としていてきれいで満足。
本物の畳と違って一畳ごとに区切られ縁があるわけではなく8畳の場合、部屋の隅から隅まで直線で畳の縁が3本あるだけなので見た目もすっきり広々としたイメージに。
そして何よりも…畳のカスが出ない!!上敷きを敷いてからというものの、あれだけ毎日悩まされていた畳のカスがピタリとなくなり廊下にカスが落ちているということもなくなりました。
もちろん畳に座っても寝転がっても、カスはつきません。(感涙)やってよかったな…と心底思いました。
約1年半畳の上敷きを使ってみてどうか?【現状報告】
上敷きを敷いてから、2023年1月で約1年半が経過しました。現在の上敷きの状態を包み隠さずお伝えします。
- 畳色は当初より黄色くなった
- 犬がよく通る場所には傷が目立ち畳カスが出るようになってきた
- 撥水性はなくなってきた
- 敷くときに出た凹凸は折り目以外は馴染むことなくそのまま
撥水性に関してはそこまで効果は感じられず、ショップページにあったように玉のようになってはじかれることはありません。(泣)
それでも畳の上に水分が少し残った状態にはなっているので、多少は撥水効果が持続しているのかもしれません。ないよりは良いかな、という程度に思っておいた方が良いと思います。
まだ既存の畳ほどではないですが、傷からの畳カスが増えてきて畳に座るとカスがズボンにつくことも増えてきました。少しチクチクして服に引っ掛かるような感じもします。
傷や畳カスが目立つのは犬がよく通る場所のみで、端の方などは敷いたころからそこまで変化なく座り心地も良いです。
現在は犬がよく通る場所には薄っぺらい裏地なしの2畳分ほどのラグを敷き、これ以上状態悪化しないように気を付けています。座るときもこのラグの上に座れば畳カスもつかずチクチクしないので快適。
子供が赤ちゃんの頃はイブルのマルチマットを使用していましたが、おしゃれで雰囲気もよく薄手(裏地なし)なのでこちらも畳の上にはおすすめ。くすみカラーがおしゃれです!
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もう少し暖かくなったら掃除がてら一度上敷きを外しひっくり返して、きれいな裏面をまた表にして心機一転で上敷きを快適利用する予定です。
上敷きも結局は畳のようなもの。
張り替えた直後は快適でも、同じように犬とボール遊びなどをして暮らしていれば既存の畳と同じようにボロボロになっていくのは当初から予想できたことです。
それでも畳を張り替えたり裏返したりするよりは断然費用は安く済みますし、上敷きを敷いたことは後悔していません。
(もし畳自体を張り替えても生活スタイルが変わらなければ同じように畳は傷むので…)
結局1年半ほどで表面に傷みが出てきましたが、ひっくり返せばまた使えるなら1回の購入で3年は持つということ。
1枚約14000円(8畳本間の場合)なので、1年あたり5000円弱。この金額で3年気持ちよく畳が使えるならお買い得でしょう。
特にいつ退去するか分からない賃貸物件の場合にはお手軽でおすすめの商品です。より上敷きを長持ちさせたいならば、犬がよく歩く場所だけでもカーペット・ラグ類を敷き詰めるのもおすすめ。
その場合は気軽にどかして掃除しやすいように家具の下には敷かない方が良いかもしれません。私は意外とこの上敷き×気軽にめくって掃除できる薄っぺらラグの組みあわせが気に入っています。
逆に持ち家や賃貸でも長年住み続ける予定のお宅では、畳部屋にこだわりがない場合は、これからも同じように室内犬と暮らす予定ならばリノベーションを検討も視野に入れるべきでしょう。
まとめ
畳部屋で犬を飼うことは可能ですが、犬の爪がひっかかることにより畳が傷つくのは免れません。
我が家は畳の上敷きを敷くことで傷を隠しましたが、畳素材のため結局また同じように傷がついてしまいました。
上敷きは劣化を防ぐ時間稼ぎにすぎませんが、掃除の手間も最小限で済み畳部屋の風合いを残しながら暮らせるので、畳好きで賃貸の我が家にはぴったりでした。両面使えるのでコスパも◎。
上敷きを敷いた後は、薄手のラグと併用すると長持ちしそうです。この記事がボロボロの畳でお困りの方の参考になれば幸いです。