古民家

古民家暮らしで大変・不便と思うこと デメリットと感じること10選

古民家で暮らして9年。普通の家と比べて大変だなあ、ここが不便だなと思うことも多々あります。普通の一軒家暮らし、鉄筋マンション暮らしも経験した私が古民家暮らしならではと感じるデメリットを挙げていきたいと思います。古民家暮らしを考えている方の参考になればうれしいです。

冬はかなり寒い 

 
 
 
 
 
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寒がりの私が一番つらいのが、冬の寒さです。家に断熱材が使用されていないので、とにかく寒いです。冬場ですと家の中の温度が8度前後なのが普通。3度ぐらいの日もあります。

こたつ、灯油、暖房などがないと凍え死んでしまいそうです。ファンヒーターを付けて15度前後で冬は暮らしています。その分夏場はかなり家の中が涼しいですが。

光熱費がかかる

古民家でなくても一軒家の場合ある程度光熱費はかかると思いますが、やはり隙間が多い分特に暖房代は高いです(夏のエアコン冷房代はそこまでかかりませんが)。

移住一年目、はじめての冬。子犬だったシロがいたこともあって、8.5畳の部屋で一か月夜中以外エアコンの暖房を付け続けた結果、一か月の電気代が3万円を超えたことがあります(夏の冷房は同じように使っても1万円ほどです)。

それ+電気給湯器が毎月1万円ほどかかるため、かなりの出費となり痛い目を見ました。

それ以来エアコンの使用を控え、こたつや電気ヒーターを使っていましたが3年目ぐらいでようやく灯油ファンヒーターとストーブを購入。灯油にしてから芯から温まる感じになり、体感温度が激変しました。

物件によっては灯油を使用しないでほしいというところもあるようなので、灯油使用の場合はトラブルにならないようにしっかりと確認しましょう。

収納が少ない

我が家の押し入れ。中棚がない。
メイン収納となっている3畳部屋にある押し入れ。中段がなく収納には不便でした。

我が家の収納は3畳の部屋にある押し入れと、洋間にある押し入れ、玄関横に1畳ぐらいのせまい収納があるのみ。

ふすまを外して食器棚に。
ふすまをとって食器棚を入れ込んだ収納部分

ダイニングにも1畳程度のふすまで仕切られた場所がありましたが、狭くて使いにくい空間だったので上の写真の通りふすまを取り払い食器棚を入れ込んでいます。

普通の一軒家と比べるとかなり収納が少ないと思います。部屋自体は本間ですしそれなりに広いと思いますが、タンスや本棚など収納家具を置くとかなり狭くなってしまいました。

メインとなる3畳の部屋の押し入れがまた独特で2段に仕切られておらず使い勝手がいまいち。衣装ケースやハンガーラックなどかなり買い足して、布団や衣類を収納しています。

天井もボロボロだったため、ネズミや虫が入ってこないようにとりあえずコンパネでふさいであるだけ。天井が弱いのでツッパリ系の収納も使えません。

ミニマリストのような方なら問題ない収納スペースかもしれませんが、夫婦2人ともモノが多めの我が家には足りずかなり収納家具でお金を使いました

コンセントの位置や形状が独特

昔ながらのコンセント形状
小さくて出っ張った形状のコンセント

我が家に限らず古民家あるあるだと思うのですが、コンセントが上の画像のような形状をしています。しかも大概柱の横で、かなり下の方に設置されています。元々電化製品がほとんどない時代に建てられているので、場所も使いやすさ等はあまり考えられておらず独特

そのため、工夫しないとコンセントがすぐ埋まってしまいますしいところにコンセントがなくて歯がゆい思いをすることも多々

さらにエアコンのない大正時代に建てられた我が家はもちろんエアコンも設置を前提に考えられていないので、置き場所が限られています。我が家は庭に面した2部屋しか設置ができませんでした(それ以上になると大がかりな工事が必要そうでした)。

本来であれば家の中央にあるダイニングとして使えるであろう部屋にエアコンが設置できず…。引っ越し当初はダイニングの部屋に机を置いて食事をしていましたが、暑さ寒さに耐えきれずリビングにしているエアコンが使える和室で食事をとるようになりました。

リビングは和室なので、子供が小さいときは特に食事や飲み物を畳にこぼした際の後片付けが本当に大変でした…。

壁が少ない。部屋と部屋の仕切りがふすま

白いふすまだらけで壁の少ない古民家です
白いふすまに囲まれたリビング。出入口がどこか分からないとよく言われます。

我が家の室内は洋室とお風呂、トイレ以外のは壁とドアがなく、全てふすまで部屋が仕切られています。リビングにしている和室も外壁沿い以外は全てふすまで壁がないので壁に何かを貼ったり飾ったりすることはできません

本来壁であってほしい通路沿いなどもふすまなので、物をぶつけるとふすまに穴が開くことも。そんなときは壁だったらこんなことにはならないのに…と悔しく思います。

壁がないため隙間風が入ってきやすく冬も寒く感じるのかもしれません。そのかわりにふすまを全て開けたらかなり解放感があり、夏は窓も開けると東西に風が通りとても涼しいです。

風呂場がせまい

家が建てられた当初、おそらく家風呂がなかったのでしょう。お風呂は後付けされた感があり、とても狭いです。湯舟は標準サイズの浴槽がついているので、その分洗い場が0.5畳ほどしかなく大人ひとり入るとギューギューです。

子供が何人もいる家の場合一緒に入るのは大変そうだなあと思います。また、換気扇がないので使用後は窓やドアを開けておく必要があるのも不便に感じます。

さらに我が家の場合沸かしなおしができないので入る時間があく場合お湯が冷めてしまうため、一度全て抜いてお湯を入れなおす必要があり水道代と電気代がかさみます。

ちなみに古民家の物件あるあると思いますが、わが家もお風呂とトイレはレトロな雰囲気のタイル貼りです。

庭木がある場合手入れが大変

裏庭の様子
引っ越し当初の裏庭の様子。ナギと松2本がありました。

庭がある古民家の場合は、草取りや庭木の剪定(せんてい)などが必要になってきます。

我が家には表と裏に庭があります。コンクリートで整備されているなどではないので、草取りをマメにしないと雑草畑に…。

雑草はまだ頑張れば取ることができますが、大変なのは庭木の剪定です。我が家は表に松の木が1本、槙の木が1本、椿が多数、裏に2本の松の木と、ナギの木がありました。

最初は剪定してくれてあったのでとてもきれいで木がある家はいいなぁと思っていましたが、季節が過ぎていくにつれどんどん葉や枝が伸び、不格好に。

椿は適当に切ってもカタチになりますが、松は剪定技術が必要で自分では剪定メンテナンスができませんでした。放置していたらどんどん上に伸びて、ついに脚立でも届かなくなってきてしまいました…。葉が茂り、庭もどんどん暗くなっていきます。

自分たちでは維持できないと判断、大家さんに相談したところ、切っていただけることに。造園業者の方が3~4名来てチェーンソーで切り搬出という大がかりな作業になりました。

入居時「庭木の剪定は自由」とあったのに大家さん持ちで伐採してくれたことにはひたすら感謝です。

木には申し訳ないことをしましたが、技量がないと特に日本的な樹木のメンテナンスは難しいということを勉強させてもらいました。古民家にある樹木は我が家のように松などが多いと思います。

入居希望の古民家に木がある場合は、そのメンテナンスができるかどうかも考える必要があります

虫や動物が多い

 

 
 
 
 
 
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隙間の多い古民家。家の中にもゴキブリはもちろんアリ、アシダカグモなどの蜘蛛類、ヤモリなどが侵入してきます。

動物ではネズミ。家の中への侵入もありますが、イタチやネズミのような小動物が天井裏を走る音も気になりだすとかなり気になります。

完全に隙間を防ぐには古民家の場合かなり難しいと思います。いかに我が家を虫や動物にとって居心地の悪い(きれいな)場所にし、他へ行ってもらうかが重要です。

一方でかわいい方の小動物ですと、猫や小鳥が庭に出没します。

日当たりがいまいち

我が家は東西に長い平屋。隣家と割とぴったりと隣接していて、南側には窓もほとんどないので家の中にはあまり日差しが入りません。リビングは西側なので、西日だけは夏場結構強烈に入ってきますが…。

表庭は午前中、裏庭は午後に日差しが入りますが、家の中と同じく南寄りの方は常に日陰。植物の育ちはあまり良いとはいえません。日陰となる西側には日陰を好むコケやシダが多く生えます。冬は洗濯物の乾きもいまいちです。

昔はエアコンがなかったので、いかに涼しく風通しがよいかを考えて建てられているでしょうから古民家で日当たりがよくないというのは当たり前なのかもしれません。

リノベーションが必要な箇所も

天井のふすまを断熱材でふさぐ
庭に面した廊下。壁と天井(屋根)との間に隙間がありすぎたので、とりあえず断熱材でふさぎました。

我が家は賃貸の古民家。引っ越し時に「家の中をいじるのは基本的に自由だけど、扉を壊すとか大がかかりなものは一応やる前に連絡してね」と大家さんに言われていました。

賃貸でない古民家の場合は、リノベーションしたいと思ったら費用はもちろん自分持ちでしょうから物件によってはかなり費用がかさむと思います

我が家の場合でもリノベーションしたいと思う箇所がたくさんあります…。

たとえば我が家の場合はトイレの壁が薄く、隣家の庭を誰かが歩く音や話し声がよく聞こえます。むこうにトイレの音が聞こえてるのでは…と思うと恥ずかしいですが今はたまたま隣が空き家となっているので放置しています。

隣とつながっている長屋の場合、もっと隣の音が気になるのかもしれません。

どこまでやってもらえるのか、大家さんとの交渉が必要な場面も多々

混合栓ではなかった入居当時の水道
入居時のキッチン水栓。お湯と水を両方出しながら温度調整するのが大変でした。

一例ですが、引っ越し当初はメインの水道が混合栓ではありませんでした。数年はそれで我慢していましたが、子供が生まれて不便に感じる場面が増え、混合栓に変更。数万円かかりましたが、交換の費用は我が家持ちでした(大家さんにダメ元で交渉はしましたが…)。

逆に前述したとおり庭の木を切ってほしいという話は大家さんが費用を持ってくれ、実現しました。庭の枯れ井戸も子供が落ちると怖いからふさぎたいと相談したら、大家さん持ちでふさいでくれました。

さらにネズミが家の中に出た際も超音波で撃退する機械を貸与してくれました(我が家は大家さんに恵まれているのかもしれません)。

古い家なので、欠陥点が出てくるのは当然。その前提で大家さんも貸してると思いますし、借りている私たちも仕方がないと思っています。

そこが普通の賃貸住宅とは違う点です。交渉でお互い納得できる妥協点を模索する必要がある場面が度々あるので、借りているのだからやってもらって当然、交渉事が面倒と思う方には向かないかもしれません。

終わりに

今回は古民家に住んで感じているデメリットを10個挙げ焦点をあててみました。我が家の場合なので全ての古民家に当てはまるわけではありませんが、古民家暮らしの方は同感できる部分もあるのではと思います。

冬は寒いというデメリットは夏は涼しいというメリットにもなります。リノベーションが必要というのは、自分で好きなように手直しできるというプラス面にもなります。

デメリットをただのデメリットと捉えずに良い方に置き換え楽しむのも、古民家暮らしの醍醐味です。工夫を楽しみながらの古民家ライフを送ってみませんか。

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