4月。暖かくなり、秋に植えた庭のオーニソガラムが無事に開花しました。うれしくてグーグルレンズを使って咲いた花の写真を調べてみると、オーニソガラムではなくオオアマナという名前が…。
オーニソガラムの球根と言っていただいたものを植えましたが、オーニソガラムではなくてオオアマナ!?
見た目も葉っぱもよく似ているこの2つの植物の違いは何なのか、もう1つ星形で似ている花・ハナニラとの違いや見分け方も調べてみました。
オーニソガラムとオオアマナは同じ花!
「オーニソガラム」と「オオアマナ」はどちらも春に開花して星形の白色の花を咲かせるため、別名「ベツレヘムの花」と呼ばれています。
オーニソガラム=オオアマナ属で、オオアマナ属の中には色々な種類のオーニソガラムがあるのだそう。
オーニソガラムは約150種類ほどと色々な品種があり、それぞれオーニソガラム・〇〇という名前が付けられています。
その中でオーニソガラムウンベラツムという品種だけ属名を取って「オオアマナ」という名前で呼ばれることが多いのだとか。
園芸界では一般的に「オオアマナ」というとオーニソガラム・ウンベラツムのことを言い、他の種類のオーニソガラムは「オーニソガラム」と呼ばれることが多いようです。
つまり正確に言えば「オオアマナ」は属名なので1つの花の名前をいうわけではなく、オーニソガラムは全て「オオアマナ」と呼んでも間違いではないということです。
チューリップを見たら、みんな「あ!チューリップ!」と言いますよね。「あ!チューリップバレリーナ!」と品種名で言う人は少ないと思います。(笑)
このようにチューリップはユリ科チューリップ属ですが、属より後の品種名で呼ばれることは少ないですよね。
つまりオーニソガラムもチューリップと同じように「あ!オオアマナ!」と呼んでも全く間違いではなく、問題はありません。好きな方で呼びましょう♪
オーニソガラム・ウンベラツム(ウンベラータム)とは
オーニソガラム・ウンベラツム基本情報
- キジカクシ科オオアマナ属
- 原産地…ヨーロッパ南部
- 開花時期4~5月
- 球根で増える多年草
- 花径は2~3センチぐらい
ウンベラツムはウンベラータム・ウンベラタムと言われることもあります。英語での名前は「スターオブベツレヘム」。通称となっている「ベツレヘムの星」そのまま。
明治末期に鑑賞用として渡来した植物ですが、元々日本にあった「アマナ」(甘菜)という植物に似ていることから「オオアマナ」という和名が付けられました。
(アマナは食用されていたことがありますが、オオアマナは有毒なので食用不可・注意)
よく似た星形の花・ハナニラとの見分け方は?
オーニソガラム(オオアマナ)とよく似た花で開花時期もかぶる植物が「ハナニラ」。
ハナニラもオーニソガラムと同じく「ベツレヘムの星」という通称で呼ばれることがあり、星型の花が特徴です。和名は「セイヨウアマナ」で、こちらも「オオアマナ」とよく似ています。
育てている家庭も多いので、散歩していても両花ともよく見かけると思います。同じ花形でも、この2種類の見分け方は簡単。
オーニソガラムは6枚の花びらが重なることなく分かれて咲きますが、ハナニラは3枚くっついた花びらが2重になって6枚の花びらのように見えます。
ぱっと見の印象は、ハナニラの方がふっくらした感じでオーニソガラムの方がとんがっている感じ。
基本的にオーニソガラムは1茎多花で、ハナニラは1茎1花とも言われているので、そこも見分けのポイントになりそうですね。
また、ハナニラの方がニラのような葉っぱが多く垂れ気味なような気がします。そして何よりハナニラは、その名の通り葉っぱがニラのにおい。(オーニソガラムはしない)
これが一番分かりやすいでしょう。(笑)
ちなみにオーニソガラムは白色が多いですが、ハナニラは白色だけではなく、水色っぽいかわいいものも多いです。
我が家のオーニソガラム(オオアマナ)発芽~開花までの様子
11月10日に球根を植えてから約1か月後の12月10日、オーニソガラムの新芽を発見。球根植え付けや育て方については下記記事にまとめたので合わせてご覧ください。
12月25日には、少し葉が伸び一回り大きくなった印象です。
1月26日の様子。葉っぱが大分長くなりました。12月末からの厳冬で積雪もありましたが、雪が積もっても屋外放置で元気そうな様子。耐寒性はかなりあるようです。
2月27日。葉っぱがぐんぐん伸びてきました。我が家の庭は水はけがあまりよくないのもあり、冬の間はほぼ水やりせず放置。オーニソガラムは湿りすぎに弱いと聞いたので、乾かし気味を心掛けました。
ニラのような細長い葉っぱが印象的です。
桜の開花も終わり春めいてきた4月11日。つぼみのようなものが根元に見えてきました。
同日、午前中のみ日差しが当たる花壇に植えてあった同じオーニソガラムが開花。同じ日に球根を植えましたが、場所によって開花に差異がありますね。
ちなみに日当たりのもっと良い裏庭に植えっぱなしで自然成長したオーニソガラムは、これより3日早い4月9日に開花。やはり日当たりが良い方が成長も早いのでしょうか。
4月14日、ようやく開花!結局肥料も一切やらず、水やりも春先暖かくなってきてからのみでしたが、無事に花を咲かせてくれました。
6枚の花弁がまるで星!賢者をキリスト生誕の地へ導いたベツレヘムの星と言われるのも納得の、春の花壇での存在感です。
中央のめしべがウルウルと水分を含んでいるかのように見えて、なかなかきれい。
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ウンベラツムは茎が短いのであまり向かないですが、茎の長い他のオーニソガラム(サンデルジー・シルソイデスなど)は切り花にしても◎。花もちも良いそうですよ。
花が開くのは、日中の太陽光が出ている時間帯のみ。それ以外の朝夕などは、上の写真のように閉じています。閉じた姿もさわやかな緑と白色のストライプ模様のようできれいですよね。
育てやすく可愛いオーニソガラムはズボラにもおすすめ
私は植物が好きですが、ズボラゆえに管理が行き届かずよく枯らしてしまう人間。
かわいい~!と思って買ってきた花の苗も開花前に枯らしてしまうのが日常茶飯事で、花が咲いたら奇跡!というぐらい育てるのが苦手です。
今回のオーニソガラムも植え付けしてからほぼ放置といった具合でしたが、鉢植え2つ、地植え2か所に植えた全ての球根が花を咲かせてくれました。(感涙)
裏庭の地植えは、数年球根を植えっぱなしで葉っぱが出てくるまであったことすら忘れていましたが、降雨のみでも成長&開花。
とても強い植物で野生化していることもあるそうです。花は星形でとてもかわいらしい上に、毎日繰り返し咲くため、花が見られる期間が長いのもうれしいポイント。
育てれば「植物を枯らしがちな私でも咲かせることができた!」と自信がつきます。私のように植物を育てるのに苦手意識がある方や初心者にこそ、オーニソガラムはおすすめです!
まとめ
オーニソガラムはオオアマナ属の植物。たくさんの品種があるオーニソガラムの中でもオーニソガラム・ウンベラツムのことを一般的に「オオアマナ」と呼びます。
しかし、オオアマナ属のオーニソガラム・〇〇(品種名)をみて「オオアマナ!」というのはチューリップ属のチューリップ・〇〇(品種名)を見て「チューリップ!」と言うのと同じ。
オーニソガラム全般どちらの呼び方でも問題はないです。
好きな名前で呼びましょう。耐寒性があり丈夫なオーニソガラムウンベラツムは初心者やズボラ園芸者にもおすすめ。とても愛らしい花形の花が咲くので、是非育ててみてくださいね。