古民家

犬と畳の相性。犬を畳部屋で飼うって実際どう?畳を長持ちさせるための初期対策

畳と犬の組みあわせは「座敷犬」といった和のイメージでほっこり和むものがありますよね。畳部屋で犬を飼育して9年が経ちましたが、メリットデメリット両方とも感じています。

特にデメリットについては、最初からきちんと対策していれば防げたなというものが多数。

最初にしておけばよかった対策をまとめたので、これから犬を畳部屋で飼おうとお考えの方の参考になれば幸いです。

犬と畳の相性について

クロと畳

SNSを見ていると素敵なお部屋でワンちゃんと暮らしている方がたくさんいますが、我が家のように畳部屋で犬と遊んでいる家は少なく思えます。

実際に畳のお部屋で犬を飼っても問題がないのだろうか…と今更気になり、まず調べてみました。

畳部屋で犬を飼うメリット

ソファとシロ
  • 滑りにくい
  • ある程度クッション性があるので犬の足腰に優しい
  • イグサのにおいで犬がリラックスできる

以前飼い犬を掃除好きでワックスピカピカの義実家に連れて行ったらツルツル滑ってしまい大変でした。畳は滑りにくいという点では優秀

さらにソファから飛び降りる際も畳のクッション性のおかげで足腰への衝撃は少なくすんでいると確かに感じます。

さらに畳のイグサの香りは犬が好きな草のにおいなので、犬に安心感を与える効果も期待できます。(ただし犬によって好き嫌い、アレルギーがある場合もあるので注意も必要)

畳部屋で犬を飼うデメリット

畳の傷
実際畳についた傷。
  • 犬の臭いが気になる(畳はにおいを吸着しやすい)
  • 畳が傷つきやすくなる(畳を掘る犬もいる)
  • 粗相した際の掃除が大変(イグサは水分を吸いやすい)
  • 畳カス(くず)を誤飲する危険性あり

臭いに関しては我が家が古民家で隙間が多いためかそこまで気にしたことはありません。

ただし麻痺しているのかもしれないので、来客がある際はアロマディフューザーを付けるなどでまぎらわせています。気密性の高い現代住宅の場合は臭いがついた場合もっと気になるかもしれません。

一番大変に思うのが犬が畳におしっこや嘔吐をしたとき。畳がぐんぐんと水分を吸収していってしまうので、大急ぎで掃除します。

でも頑張って掃除しても、本当にきれいになってるのかも分かりにくくモヤモヤが止まりません。フローリングならサッと拭くだけで掃除終了なので本当に楽なのですが…。

また、我が家の犬はしませんが、犬の性格や犬種によっては畳を掘って傷をつけたり食べてしまうというような場合もあるそうです。

そもそも犬は寝床を整えるのによく掘りますし(我が家もクッションや布団は掘ります)、本能的に仕方がないところもありますが、犬のためにも畳のためにもできればしつけでやめさせたい行動です。

実際に9年間犬を畳で飼ってメリットとデメリットは上記の通りだなと思いました。

見出しにした犬と畳の相性ですが、

犬側から見れば畳は心地よく相性は良いといえますが、畳側から見れば傷みやすく相性が悪い

と取れます。

畳を長持ちさせたいならば、畳部屋で犬を飼うのはやめたほうが良い

ということになります。

とはいっても、我が家のような築古住宅の場合畳部屋がほとんどというお宅も多いでしょうし、畳部屋しか犬を飼えそうな部屋がないという場合もあると思います。

そんな場合でも、きちんと最初から対策をしておけば畳を長持ちさせつつ犬を飼育することは可能。最初にしておきたい対策をご紹介します。

畳部屋で犬を9年間飼育し続けた我が家の実情

畳とシロクロ
愛犬トイプードルのシロとクロ。

飼育前にしておきたい対策に移る前に、9年間畳部屋で犬を飼育し続けた我が家の現実を軽くお伝えしたいと思います。(失敗談です汗)

築約100年のザ・古民家の我が家もまさにその通りで、フローリング部屋もありますがそちらには冷暖房がなくメインで生活するには不便。犬も人間も空調の整った畳部屋のリビングで共に生活しています。

通気性の良い(隙間だらけの)家のため、犬と生活しているこの畳部屋でダニが発生したことはありません。暮らすのは快適ですが、不便に思うのは先ほども触れた掃除問題

2匹の室内犬(トイプードル)と遊ぶのもいつもこの部屋で、ボール遊びをしょっちゅうします。

そんな生活を続けていたら、いつの間にか犬の爪で畳がボロボロ傷だらけ、ささくれだらけに。畳に座ると畳のカスが付くようになってしまいました。

さらに軽い畳のカスは、ホコリのように舞い廊下にも出ていきます。朝に掃除機をかけても、夕方にはまた畳のカスが廊下に落ちているという日々が続き…。

ただでさえ嫌いな掃除がもっと嫌いになり、どうせきれいにしてもすぐにまた汚れると思うと掃除する気力も失せてきました…。(泣)

和室は家の中に数部屋ありますが、犬が遊ぶこの部屋だけ畳の傷がひどいので犬の爪による畳の劣化ということは確実。

きちんと初期対策をしておかないと、我が家のようになりかねません。私が犬を飼育する前にしておけばよかったなと思うことをお伝えしていきます。

畳をボロボロにしないための対策

我が家のように既にボロボロになってしまった場合の対策はまた別記事でご紹介しますが、まずはこれから畳の部屋で犬を飼おうとお考えの方は必見の、畳を守る初期対策をご紹介します。

犬の爪切りや散歩を頻繁にする

シロクロ散歩中

当たり前ですが犬の爪も人間と同じように伸びるので、定期的に専用爪切りで切る必要があります。

でも散歩に頻繁に出かけていればコンクリートで爪が削れるのでそこまで爪切りをする必要はなくなりますし、犬はうれしいし一石二鳥。

散歩に頻繁に出かけたり外遊びをしたりすることで、犬のストレス発散となり室内で暴れたり畳を掘ったりという行動がおさまる可能性もあります。

一度傷ついてしまうと直すのは困難なので、まず気を付けたい基本的な2点です。

トイレトレーニングをしっかりとする

畳のイグサは草。元々犬は草むらで排泄をしているので、草むらと同じ感覚で畳で排泄をしてしまう犬もいるのだそうです。

犬は自分の寝床では排泄をしないので、畳は居心地の良い場所という認識を持たせ、トイレはハウスの中など決めた場所でするようにしっかりとトイレトレーニングをしておきましょう。

我が家の犬のうち、先住犬シロはトイレで完璧に排泄できますが、後からきたクロはなかなかトイレトレーニングが板につかずおもらしばかり、1歳を過ぎるまで失敗ばかりでした。

しかし1歳を過ぎたらトイレでできるように。犬にも個体差があります。トイレで排泄ができれば人間のストレスが激減するので、諦めずに頑張りましょう!

そもそも犬と畳の部屋で遊ばない

シロとボール

我が家の犬は散歩にしっかり行っていても畳部屋の中でボール遊びをするのが習慣になっているので、畳に傷がつきます。

ボール遊びってジャンプして爪を使って急停止Uターンなど、畳を傷つける動作がたくさん。爪を切っていても遊びで爪を使えば当然畳も傷つきます。(フローリングの場合でも傷はつきますよね)

犬と遊ぶときは畳部屋で遊ばない、庭や近くに広場があるならそこでアクティブな遊びをするようにするなどと遊びのルールをあらかじめ決めておくことも大切でしょう。

そこまで深く考えずに畳部屋で犬と遊びまくった我が家は既に時は遅しで畳がボロボロです。(泣)

これから犬を飼う方は、以下の対策をせずにそのままの畳で生活するならば、できれば畳部屋でアクティブな遊びをしないのが一番の解決策かと思います。

最初に敷物を畳全面に敷き詰めてしまう

お次は畳側を守るための方法。単純ですが、別の敷物を敷けば物理的に傷や汚れをガードできるので既存の畳を長持ちさせることが可能です。

これならばそこまで室内(畳部屋)での犬との遊び方を限定することなく、ボールでも引っ張りっこでも楽しくして遊ぶことができます。

敷物を敷くときのポイントは、できる限り部屋全面に敷物を敷き詰めること。

これは我が家の失敗例ですが、8畳の畳部屋で一部(中心付近)にのみラグを敷いていました。

畳部屋、ラグとシロ
シロが子犬の頃の畳部屋。

しかしボール遊びなどすると、ボールは部屋の隅まで飛ぶので犬が走り回りラグを敷いていない部分の畳に傷がたくさんでき、ささくれて畳カスがでるようになってしまいました。

一度傷ついて畳カスが出だすと、どんどん増殖して我が家のように面倒なことに…。家具の下などは必要ないでしょうが、犬が行ける範囲の畳にはできるだけ敷物を敷き詰めた方が効果大

敷物を敷く場合、下記のような滑り止めシートを挟めばめくれにくくなります。

この方法のデメリットは、敷物と既存の畳の間の通気性が悪くなりダニが発生しやすくなりカビが生える可能性があるので、定期的に敷物をはがして状態確認や風通しをしないといけないという点。

畳とフロアマットの間にアリがわいたという人もいたので、要注意です。

さらに上に敷いた敷物に犬が粗相をしたとき、普通のラグなどの場合は畳と同じく急いで掃除する必要がありますし、場合によってははがして洗濯しないといけないというのもデメリット。

洗濯中は結局畳が丸見えになるので、その間敷いていたときと同じようにアクティブに遊んだらひっかき傷がついてしまいます。

敷物を敷くならば一部分だけはがせるタイルカーペットやコルクマット、もしくは撥水性のある素材でできた敷物(撥水加工やフローリング調)を選ぶと良いでしょう。

※下記のようなシートを間にはさむと、カビやダニを多少軽減できるのでおすすめです。

木目調のフロアマットは和室を洋室風にイメチェンできます。

コルクマットは犬の足腰にも優しく、汚れた部分だけ取り換えることもできるので便利。

置くだけ簡単。水や汚れに強いお手入れ簡単メラミン樹脂製も。

『犬 畳 マット』といったキーワードで検索すると色々な種類のものが見つかるので、チェックしてお好みのものを探してみてくださいね。

犬用の畳に張り替える

こちらは予算のある方限定になりますが、犬や猫などのペット用畳にごっそり張り替えてしまうというのも一つの手。

一例をあげると、犬猫専用の畳(わんにゃんスマイル畳)

  • 摩擦に強いレザー生地で出来ている
  • 爪のひっかき傷にも強く、水分を吸い込まずお掃除楽々
  • 抗菌加工済み

既存の畳をこちらに張り替えれば、犬と暮らす際の畳のデメリットを一気に全て解決できます!初期費用はかかりますが、長い目で見れば一番コスパが良い方法でしょう。

畳の特性(調湿機能やイグサの香り、色の変化)はないので注意。

先ほど紹介した畳の上に敷物を敷き詰める方法だと、通気性が悪くなり既存の畳のカビが心配ですがこの方法なら安心。

置き畳タイプ・敷き込みタイプと2種類から選べ、縁もありなしが指定できます。サイズ指定も可能。さらに畳なのに色柄も豊富。部屋のプチリフォームも兼ねてと考えれば高くはないかもしれませんね。

我が家は賃貸なのでそこまでは今のところ考えていませんが、持ち家ならばこちらも検討していたでしょう。

こちらは直販はなく、最寄りの工務店を通してのオーダーになるため価格は問い合わせになります。

価格参考までに、下記ホームページには既存畳との入れ替え工事費を含めて6畳で198000円とありました。(縁なし琉球畳風・2023年1月現在)

まとめ

一度傷ついてしまうと、修復は難しい畳。

犬を飼うならば、トイトレや散歩はもちろんですが、最初にラグなどの敷物を畳上に敷き詰めるか畳を犬用のものに張り替えるなどの対策をしておくことを失敗経験者としておすすめします。

敷物で畳の風合いは損ないたくないのならば、置き畳を上に置いたり畳の上敷を利用するといった手もあります。

犬にとって畳は居心地のよいものですし、畳部屋で犬を飼うことは可能。是非しっかりと対策をして、和室でもあきらめずに犬との楽しい生活を送ってください。

また別の記事で、我が家のように傷ついてしまった畳部屋をリフォームする方法をご紹介したいと思うのでお楽しみに。

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