ホットケーキというと家庭で作るもの、パンケーキというとおしゃれなカフェで提供されているものというイメージが私はあるのですが、この2つの明確な違いをご存じでしょうか。
なかなか的確にこう違う!と答えられる方は少ないのではないかと思います。もちろん私もしっかりと答えられないので、正解が気になり調べてみました!
ホットケーキとパンケーキについての疑問
先日子供とお風呂に入っていたら、カタカナのおふろポスターにホットケーキという文字がありました。
おいしそうだな~、でもこれはパンケーキとは言わないんだな、見た目はそっくりだけど何が違うんだろう?と素朴な疑問が湧いてきました。
私は現在30代ですが子供の頃パンケーキというのは聞いたことがなく、ホットケーキしか知りませんでした。
大人になってからパンケーキというのがおしゃれな食べ物といったイメージで、色々なカフェで提供され流行りはじめたような気がします。
この2つに明確な違いはあるのでしょうか。気になって調べてみました。
ホットケーキとは
ホットケーキとはいうのは、日本独自の呼び名。その呼び名の起源は明治17年(1884)にさかのぼります。
海外の文献を文化省が訳して出版した「百科全書」という本に薄餅=ホットケーキと翻訳紹介されたのがそもそものはじまり。
大正12年(1923)には東京のデパート内食堂でハットケーキとして販売され、昭和初期にはホットケーキという呼び名で定着したのだそうです。
第二次世界大戦後、食品会社各社がホットケーキの素の販売開始。広く家庭でも作られるようになりました。
ホットケーキミックスという商品が示すように、日本でホットケーキというと甘い食べ物というのが一般的。基本的な材料は小麦粉、卵、ベーキングパウダー、牛乳か水、そして砂糖。
それは日本ではじめて販売されたハットケーキが甘かったので、ホットケーキは甘いものだという認識で全国に広がり今に至ります。
パンケーキとは
パンケーキの「パン=pan」は英語でフライパンのように底が平らになっている鍋のこと。つまり、「フライパンのように底が平らな鍋で焼いたケーキ」ということになります。
基本的な材料は粉、水、鍋、燃料のみ。時代が進んでくるとこれに卵、ベーキングパウダー、牛乳が加わります。それに砂糖や塩を加えることも。
パンケーキは鍋の代わりとなる石器があれば作ることができます。そのため歴史は古く、パンケーキの原型は約3万年前の古代エジプトまでさかのぼると言われているそう!
さらに古代ギリシャでは甘く味付けして食べられていたそうですが、16世紀になるとはじめて文献にも登場。18世紀には多くの料理本にレシピが掲載されるようになり、世界に広まりました。
甘くしたりしょっぱくしたりとアレンジ自在なパンケーキは、主に「パンケーキ」という名称で現在でも世界的に普及し食べられています。
パンケーキという名前のパンは、日本人にとってはパンを使ったケーキ、もしくはパンのようなケーキを連想させますよね。
日本でパンケーキではなくホットケーキとして広められたのは、そういった誤解を防ぐためでもあったのかもしれません。
結局ホットケーキとパンケーキの違いは何?
材料=基本的に同じ(プラスで砂糖か塩を入れるぐらいの差)
食べ方=クリームのありなし、厚い薄いなどで呼び名の区別はない
ホットケーキとパンケーキは材料・食べ方で区別されるものではありませんでした。
では味の違いなのでしょうか。
ホットケーキというと甘いおやつのような食べ物として日本では浸透していますが、パンケーキというと甘い系も食事系もあり、個人的には何となくおしゃれというイメージ。
あくまでもイメージの話で、パンケーキにも甘いものはあるので厳密にいえば味の違いで区別されるということはありません。しょっぱいホットケーキがあってもいいですしね。
パンケーキはフライパンのような底の平らな鍋で焼く食べ物のこと。同じような材料で同じ作り方をするホットケーキも、パンケーキの一部
ということになりますね。またさらに言うと、
ホットケーキもパンケーキも同じ!だけれどもホットケーキというは日本独自の呼び名でパンケーキは世界共通語
ということになります。
パンケーキの方が食べ方も様々で言葉の定義的にも広く、包容力があるように感じます。
※アメリカの一部では厚みのあるパンケーキをホットケーキと呼ぶこともあるそうなので、完全に和製英語というわけではないようです。
もし子供に違いを聞かれたら、私は得意げにこのように答えようと思います。
ホットケーキっていうのは日本だけの呼び方でね、パンケーキは世界共通語。だから外国でホットケーキって言っても通じないよ。
パンケーキのパンは食パンとかのパンじゃなくてフライパンのパンだから、パンケーキっていうのはフライパンみたいに底が平らな鍋で焼いたケーキっていうこと。
だからそういう焼き方をするホットケーキもパンケーキの一部っていうことだよね。
日本ではホットケーキミックスっていうのがあるし、ホットケーキっていうと甘いケーキというイメージがあるけれど、海外では砂糖のかわりに塩を入れてお食事みたいにすることもあるよ。
幼児に違いを聞いてみた
この疑問が湧いてきたのは、最初に述べた通り子供とお風呂ポスターを見ていたときのこと。5歳の我が子はホットケーキという言葉もパンケーキという言葉も聞いたことがあるはずです。
どんな答えが返ってくるか気になって
「ねえ、ホットケーキとパンケーキって何が違うの?」
と聞いてみました。
すると
「パンケーキのパンはね、8枚切りのパンみたいに薄っぺらいっていう意味なんだよ。ホットケーキのホットはね、ふんわり甘くて食べたらホッとするのホットなんだよ。」
と迷うことなく返答が。確かに甘いものを食べるとホッとしますし、あながち外れてはいません。子供ながらに色々考えているのですね。
親バカながら、かわいい返答にほっこりとしたお風呂タイムでした。
終わりに
今回はホットケーキとパンケーキの違いという素朴な疑問でした。甘いかしょっぱいか、形状や材料の違いなのかなと思っていたのですが、意外にも予想と違くて驚き。
最近のカフェなどで「パンケーキ」という言葉が使われている理由。
それは、ただおしゃれなイメージだからではなく甘いだけではなく食事系も含めて提供していたり、広い意味の世界共通語としての呼び名を優先したからなのですね。
国際社会化が進んでいく世の中、日本でも世界共通語のパンケーキという呼び名が浸透していくのかもしれません。
私もホットケーキのような甘いものだけではなく食事系の塩味のきいたものも作って料理の幅を広げたいなと思いました。