ゴールデンウィーク。観光地である奈良への旅行を考えている方も多いのではないでしょうか。せっかく観光に行くならば、特別なイベントに参加できたらうれしいですよね。
奈良観光の王道・東大寺では5月2日に年に1度だけの聖武祭が行われます。聖武祭とはどんな行事なのか、見所は何なのか?などを、奈良在住の地元民がご紹介します。
東大寺の聖武天皇祭とはどんな行事?
奈良時代に国家平安のために「奈良の大仏さま」と東大寺を建立した聖武天皇。必ず教科書に登場するので、日本人の誰もが名前を知っていることでしょう。
建立は難事業でしたが、国を守りたいという熱意と仏教への厚い信仰心を持った聖武天皇あってこそ成しとげられたと言われています。
756年5月2日は、そんな聖武天皇が56歳で崩御された日(命日)です。そして聖武祭は聖武天皇の恩徳をしのぶ御忌(ぎょき)・慶讃法要なのです。
5/2(火)聖武天皇御忌最勝十講・聖武天皇慶讃法要を厳修致します。鏡池に設けられた特設舞楽台では舞楽奉納、慶讃能が奉納されます。 #奈良 #東大寺 #聖武祭 #慶讃能 #鏡池 詳細は https://t.co/xDuG1v21Z5 をご参照ください。 pic.twitter.com/dEh4M6OvjZ
— 華厳宗大本山 東大寺【公式】 (@todaiji) April 4, 2023
午前中に聖武天皇をお祀りする天皇殿にて法要が、午後には時代衣装に身を包んだ練り供養の行列が、東大寺参道から大仏殿までを歩き大仏殿にて法要があります。
さらに大仏殿前の鏡池で舞楽の奉納、慶讃能の奉納がありますが、こちらは自由観覧が可能です。
また、1年間でこの日のみ一般人の天皇殿への屋外からの参拝が可能です。(時間制限あり・後述します)
聖武祭では大仏殿に美しい幡(はた)も掲げられて華やかな雰囲気に。
2023年・聖武祭の日程は?
日時
- 2023年5月2日(火曜日)8時~
スケジュール
- 8時~天皇殿にて法要「最勝十講」
- 13時~練り行列(練り供養)
- 大仏殿到着後「聖武天皇慶讃法要」献茶、献花
- 13時半頃~鏡池水上舞楽台にて舞楽奉納
- 15時頃~鏡池水上舞楽台にて慶讃能の奉納
5月2日は大仏さまを造立された #聖武天皇 が崩御された日で、#東大寺 では慶讃御忌法要「聖武祭」を厳修しました。新型コロナウイルス禍のため、昨年同様、稚児行列や献花・献茶、鏡池での慶讃能などは行わず、寺内と近隣末寺25名で法要のみを勤めました。 #奈良 #御忌 pic.twitter.com/Eyf7IFVpgj
— 森本 公穣 @東大寺 (@kojomrmt) May 2, 2021
ここ数年はコロナ渦の影響で感染症対策のため時代行列や鏡池奉納のない縮小開催が続いていましたが、2023年度は例年通りの通常開催となる予定です。
聖武祭の見どころ3つ!
聖武天皇の御忌供養である聖武祭は、一般的な「お祭り」のような派手な賑やかさはありませんが、厳かながらも華やかな大寺院らしいお祭りです。
そんな聖武祭の見どころは大きく3つ。
天皇殿の一般公開・練り供養の時代行列・鏡池の舞楽、能の奉納
です。それぞれ詳しく解説していきます。
この日だけ天皇殿が一般公開。外から拝める(時間制限あり)
天皇殿は、東大寺参道、南大門を入ってすぐ右手にある小道から続く場所に位置しています。
江戸時代に徳川将軍家を祀る「東大寺東照宮」として建立されましたが、大政奉還後に聖武天皇座像を祀る「天皇殿」となりました。
普段は非公開ですが、1年で聖武祭のある5月2日だけ、一般公開されます。
東大寺、今日は聖武祭。聖武天皇の御命日。天皇殿で法要が行われ、焼香台が置かれてる。 pic.twitter.com/savTQAVpEJ
— mari_N_chan (@mariN99663034) May 2, 2019
中では法要が行われているため建物外からの拝観となりますが、それでも普段は固く閉じられた天皇殿(どんな建物なのかも外からは見えない)の中へ入ることができるというのは貴重でありがたいことです。
東大寺にはたくさん国宝建築があるんですが、唯一公開されていないのが国宝『本坊経庫』
年に1度、5/2だけは更に奥にある「天皇殿」での法要で見学できます。今年の11/2〜10は、細川護煕元首相が奉納した偈屏風の展示が天皇殿であるので、気になる方はぜひ。https://t.co/Y53swn3xDh pic.twitter.com/CHEFefRWxB
— wander国宝 (@wanderkokuho) October 12, 2019
拝観すれば、あわせて天皇殿に行く途中にある国宝、本坊経庫(奈良時代・校倉造りの建物)も同時に拝むことが可能。この本坊経庫もこの日しか見ることができないので忘れずチェックしてくださいね。
注意すべきは、拝観時間制限があるという点。
拝観可能時間は
8時~14時(8時~11時半(法要中の時間)と、法要後の14時まで)
11時半までに参拝すれば貴重な法要も見られてうれしいニャンね!
13時台は練り行列や鏡池舞楽が行われ参道付近がにぎわっているので、
そちらに目を奪われて14時の拝観終了時間に間に合わなかった!
ということのないように気を付けましょう。
華やかな「練り供養」の時代行列
13時からは、練り供養の時代行列が。時代行列は13時に国際フォーラムのあたりを出発して南大門のある参道に入り大仏殿までゆっくりと歩きます。大体トータル40~50分ぐらいの時間でしょうか。
練り供養は聖武祭の中でも最も華やかで、一番の見どころといえるでしょう。聖武祭を見てみたい!とこの日に東大寺を訪れる方は、13時~14時頃の時間帯がおすすめです。
大行列なので、この時間帯に大仏殿までの参道に行けば迷わずすぐに見つけられるはずです。
東大寺大仏殿に久し振りに訪れたら、聖武天皇の慶讃法要が執り行われる場に偶然かちあわせた。僧侶たちが読経ではない意味不明のショウミョウのような唄を雅楽にあわせて唱える、まるでオーケストラで歌う第九の喜びの歌うのようなシーンがあったりして興味深いものでした。 pic.twitter.com/hFcRhfB1gI
— 矢野立秋 (@tatsuakiyano) May 2, 2021
大仏殿に到着次第「聖武天皇慶讃法要」が大仏殿で行われます。
大仏殿内の参拝は、通常通り参拝料金が別途必要となります。ちなみにこの時間帯は大仏殿内参拝順路変更があるので、大仏殿内見学参拝客はご注意を。
本日は聖武祭でした✨✨
お天気にも恵まれて、とても良い日になりました❣️
沿道から温かい声援も嬉しかったです☺💗
足を運んで下さった方、ありがとうございました😊
いよいよ明日は、天平祭です👘✨ぜひお越し下さい😆🌷 pic.twitter.com/G9v5GfEgAY— 中岡 眞子 (@mnr28_mako) May 2, 2017
時代行列は、約250名の大行列。なかなかの迫力です。過去にはミス奈良の方々が行列に参加していました。
時代行列
先駈(さきがけ)、楽人、稚児(約50名、同伴の母親等約50名)、物詣女(ものもうでおんな)、奈良市観光協会関係者、聖武講役員、僧兵、会奉行(えぶぎょう)、式衆(東大寺本山末寺の僧侶約50名、伴侍・傘もち約50名)、東大寺住職・侍僧など
ここ数年は感染症対策のため時代行列のない縮小開催でしたが、今年度2023年は行列や大仏殿での奉納における献花献茶も復活予定です。
聖武祭 pic.twitter.com/V0xLLKy2iZ
— ミウィ (@915Karkala) May 2, 2015
稚児行列に参列するのは、稚児衣装に身を包んだかわいらしい東大寺学園幼稚園の園児たち。
東大寺学園の男子生徒も僧兵などに扮して参列。聖武祭を明るく彩ってくれます。楽しみですね!下の動画は2017年の様子です。参考にどうぞ。
鏡池水上舞台前での舞楽・能の奉納
最後に鏡池越しの東大寺大仏殿。
昨日聖武天皇の御遠忌法要が行われ、この池の特設舞台で舞楽の奉納が行われたそうです。 一日違いで拝見できず残念です! pic.twitter.com/i7rONmruZ2— 手鞠 (@kiratemari) May 3, 2014
舞楽は練り供養の時代行列が大仏殿に近づいてきた13時半頃から、大仏殿前の鏡池にて南都楽所による舞楽が奉納されます。こちらは無料で誰でも観覧することが可能。
今日は聖武天皇をおまつりする「聖武祭」の日
廬舎那仏発願1277年【東大寺慶讃能】 #奈良
半能『老松』 pic.twitter.com/5Ut7X8JuCK— まるえつ (@maruetsu55) May 2, 2019
さらに15時からは、同じ鏡池水上舞楽台にて「慶讃能」の奉納が。こちらも舞楽と同様、無料で誰でも自由観覧が可能です。
舞楽に能なんて見たことないから楽しみニャ!無料なんてありがたすぎニャ!
前年までは練り供養の行列と同じく感染症対策のため中止や鏡池ではなく金鐘ホールでの奉納でしたが、2023年度は数年ぶりに鏡池での奉納が復活予定です。
混雑も予想されるので、確実に見たい!という方は早めに鏡池周辺で場所取りをするのがおすすめです。
ちなみに鏡池での能は、例年聖武祭と10月の大仏様秋のおまつりで奉納&自由観覧があります。
屋台でお祭り気分を味わおう
聖武祭
東大寺 PTAが一杯 凄い❗ママたち pic.twitter.com/mytoOJL509— たまご (@tanta99) May 2, 2016
聖武祭に限ったことではないですが、東大寺南大門前の参道ではお土産店営業の他に屋台も多数出店しています。聖武祭を訪れて屋台で何か購入すれば、まさにお祭り気分を味わえること間違いなし。
本年度は分かりませんが、過去の聖武祭では南大門~大仏殿間の参道にも屋台出店があり賑やかでした。
観光がてら聖武祭で国家平安・病厄退散を祈願しつつ、感染症対策を行いつつも久しぶりにゆるやかなお祭り気分を味わってみてはいかがでしょうか。
アクセス
東大寺大仏殿へのアクセスは下記の通り。
徒歩の場合
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- 近鉄奈良駅から約25分
バスの場合
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- JR・近鉄奈良駅前より市内循環バス「東大大仏殿・春日大社前:下車徒歩5分
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- 近鉄奈良駅からぐるっとバス大宮通ルートor奈良公園ルート「大仏殿前駐車場」下車すぐ
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- JR奈良駅からぐるっとバス奈良公園ルート「大仏殿前駐車場」下車すぐ
ぐるっとバスは運賃100円。市内循環バスは大人220円。
車の場合は、専用の無料駐車場はないので駐車場は周辺のコインパーキング等を利用することになります。
東大寺・県庁周辺では「Pあり」の看板を持った従業員の方が客引きをしている個人駐車場も多いです。大通りに面していないそういった駐車場を利用するのもおすすめ。
まとめ
5月2日は、東大寺と大仏様建立に尽力した聖武天皇が崩御された命日をしのぶ法要が行われる東大寺の聖武祭。
法要だけではなく、通常非公開の天皇殿の一般公開・250名規模の練り供養の時代行列・鏡池での舞楽と能の奉納など特別なイベントが目白押しです。
この日に東大寺を訪れる予定の方は、是非厳かながらも華やかな聖武祭を観光スケジュールの中に入れ込んでみてくださいね。