数ある寺社行事の中でも最も人気がある奈良の伝統行事が、東大寺二月堂で毎年3月に行われるお水取り。
752年から一度も途絶えたことがない、国家人民の幸福を願う行事で二月堂の舞台を練行衆が火のついた松明を持ち走る「お松明(おたいまつ)」で有名です。
感染症対策が続く中での観覧制限や観覧場所・混雑予想など2023年のお水取り基本情報をまとめたのでご覧ください。
2023年・お松明。一般客は観覧可能なのか
結論から言うと、
2023年度のお松明は観覧可能。しかし入場者制限&観覧場所制限あり。
ただし、3月11日、12日は観覧不可。この2日間は無観客でのお松明実施となります。(感染症対策のためと考えられます)
11日は17時半以降、12日は16時以降、二月堂周辺は立ち入り禁止となります。12日はお松明後も全ての階段が封鎖され二月堂に近づくこともできないので要注意。
2023年のお松明は観覧可能ですが、
感染拡大防止のため、お松明観覧はなるべくお控えください
と東大寺よりお願いが出ています。
ニコニコ動画で定点カメラによるライブ配信も行われる予定なので、可能な方はこちらのライブ配信観覧で楽しみましょう。(下記リンクで3月1日から視聴可能となります)
また毎年修二会中に行われている二月堂内・局からの聴聞は、本年度は一切できません。
2024年度お水取りの詳細は以下の記事でご確認ください。
2023年のお水取りはいつ?
2023年度お水取り日時
【お松明の期間】
- 2023年3月1日~14日まで毎日
- ただし11日、12日は観覧不可
【お松明の時間】
- 1~10日・13日…19時から約20分間、14日…18時半から約10分間
- 二月堂下の竹柵内芝生は17時以降に開場
例年一番の盛り上がりをみせ混雑する「籠松明」の日=12日が本年度は観覧不可となっているので注意しましょう!
また、お水取り期間中の11日~14日は二月堂への参拝制限(階段封鎖)時間などもあります。下記ホームページで日程&日時の詳細をご確認ください。
また、お水取りが満行した15日の日中には「だったん帽の頂き」という行事が行われます。修二会の行の中で使用された「だったん帽」をかぶせてもらい健康祈願するというもの。
都合の合う方は是非参加してくださいね。お水取りお松明の杉葉の燃え差しも数量限定でいただけます。詳細は下記記事で。
東大寺二月堂お水取りとは?どんな行事?
毎年3月に行われる東大寺二月堂の伝統行事、修二会(お水取り)。
悔過懺悔(仏に過ちを悔いること)し除災招福(世界平和と人々の幸せを祈る)する行で、1260年以上どんなことがあっても一度も途絶えたことのない「不退の行法」として有名です。
そのためコロナ渦であっても中止となることはありません。
二月堂のお水取りというと「お松明」を多くの方が想像すると思いますが、お松明は修二会期間中に行を勤める11名の練行衆(れんぎょうしゅう)が二月堂へ上堂(上がる)ときの道しるべとして掲げられる松明のこと。
このお松明が修二会の代名詞となっており、二月堂舞台の上をお松明を持って走る練行衆の姿は圧巻!修二会の時期は、この夜空を焦がす松明の炎を観覧するために多くの観光客が奈良を訪れます。
盆地のため寒さが厳しい奈良ですが、毎年このお水取りが終わるとようやく暖かくなり春到来となります。
古都奈良に厳しい冬の終わりと春の訪れを告げる行事でもあるニャ!
修二会は現在は3月ですが、もとは旧暦2月に行われていたため「2月に修する行」という意味で「修二会」という名前になったそうです。
また修二会は別名「お水取り」とも言われますが、この呼び名は3月12日深夜に行われる本尊の観音様にお供えする井戸水(ご香水)をくみ上げる儀式に由来しています。
お水取りはの儀式では籠りの僧が作った椿の造花を御本尊に供える習わしがあり、椿はお水取りを象徴する花です。
お水取りの時期はそれにあやかった椿菓子が奈良市内の各和菓子店で販売されるので、合わせてチェックしてお土産に買って帰ってみてはいかがでしょうか。
観覧場所はどこ?自由観覧OK?
2023年度のお松明観覧は、入場者制限と観覧場所制限があります。二月堂周辺での自由観覧はできません。
- 二月堂下広場
- 第二観覧所
予約制ではなく、先着順の案内となります。
第一観覧所の二月堂下広場は二月堂眼下の広場で上の画像のあたり周辺の石畳、第二観覧所は大仏殿裏手側にある東大寺関係者駐車場からの観覧となります。
入場者制限はありますが、観覧人数はそのときの感染状況・行政のガイドラインに沿って算出されるそうなので、具体的な定員人数公表はありません。
両方とも満員になったら、観覧に出向いても二月堂のお松明は観ることができないニャ…
確実に観覧したい方は、早めに二月堂周辺に出向きましょう。最も良い観覧席である竹柵広場開場(杉のある芝生のところ)は17時開場ですが、二月堂周辺へはもっと早くに近づけるはず。
確実に竹柵広場の芝生で観たい方は16時台には現地に到着していたいところです。
舞台に近い芝生広場は火の粉が飛んでくるニャ。火の粉を浴びると無病息災・福が訪れるといわれてるニャ!
東大寺によって観覧自粛が促されている本年度はどれだけ観覧者が集まるか分かりませんが、例年はコロナ渦であっても多くの人でにぎわい混雑します。(一番混む12日だけでも毎年2~3万人が訪れます)
早めに行っても二月堂周辺には常設トイレはもちろん、お水取りのための仮設トイレも設置されるので安心ですよ。
奈良は底冷えするから防寒対策はしっかりしてニャ!
早く着き過ぎたら、二月堂でのみ販売がある特別なお水取りのお土産を購入しに、ぜひ大階段上の茶屋・龍美堂をのぞいてみてくださいね。
観覧ルート制限もあり(二月堂までの歩道、通行止め多数)
二月堂へ徒歩で行くルートは多数ありますが、お水取り期間中は裏の石畳の道や山麓方面の道、二月堂正面通路など合計6か所の道が通行止めとなります。
二月堂下広場(四月堂と大鐘の間・お土産店が立ち並ぶあたり)参入口からの道しか二月堂前へ行くことができないので、変に遠回りしないように通行止め箇所を事前確認しておいて下さい。
ちなみに順路途中の道で立ち止まっての撮影も注意されるので要注意。
いつが混雑する?予想
選ばれた練行衆は11名でお松明の数は全部で11本ですが、11本のお松明がそろい走るのが観られる(籠松明)のは3月12日のみ。(他の日は10本のお松明)
毎年テレビでお水取りが取り上げられるのもこの日なので認知度も高く、最も混雑する日です。しかし今年は12日は観覧不可となるため、今年の混雑予想は例年とは少し異なり以下の3日間となります。
混雑予想日
- 3月4日(土)
- 3月5日(日)
- 3月14日(火)
4日5日は土日のため、多くの人出が予想されます。14日はお松明の最終日。
通常お松明は約20分間なのに対し最終日14日のお松明時間は約10分と短いのですが、短い時間の中で連続してお松明が上っていき見ごたえがあるため、例年混雑します。
例年は約2週間の修二会期間中に土日が2回あるのですが、今年は期間中2度目の土日・11日12日が観覧不可となっているため、4日5日の土日に人出が集中する可能性大。
可能であればこの3日間を避けてお松明観覧へ出向きましょう。
アクセス・交通規制について
例年、籠松明のため最も混雑する3月12日に周辺道路で夕方頃から交通規制がありますが、2023年は12日が観覧不可となるためお水取り期間中に大規模な交通規制は行われないと考えられます。
東大寺に専用の駐車場はありません。お水取り期間中は多くの人出が予想され、交通規制がなくても周辺の道路は駐車場を探す車で混雑することでしょう。
奈良登大路自動車駐車場が収容台数275台と多めですが、立地が良いのもあり割とすぐに満車になります。
奈良公園周辺には小さい駐車場(コインパーキング)がたくさんあるので、事前に目星をつけておでかけください。
できる限り公共交通機関での来場をおすすめします。
電車の場合…
- 最寄り駅は近鉄奈良駅(駅から徒歩約25分)、JR奈良駅(駅から徒歩約40分)
バスの場合…
- 上記の駅より市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩約13分
- 100円ぐるっとバス「大仏殿前」下車、徒歩約13分※ルート3つあり、詳細は下記リンク
まとめ
毎年多くの観光客が訪れるお水取りは、夜空を焦がす松明の炎が大迫力で奈良の伝統行事の中でも最も人気な行事の一つでしょう。
2023年のお水取りの日時は3月1日~3月14日で、そのうち11日と12日以外は観覧可能ですが、観覧者数制限と観覧場所制限があります。現地に赴いても定員に達したら観覧はできないので注意。
現地で観覧される方は徒歩ルートの通行止め箇所と観覧場所を確認の上、早めに二月堂周辺に到着するようにすると良い席が取れるはずです。防寒対策をお忘れなく!
東大寺からは感染症対策のためできるだけ観覧はお控えくださいとお願いが出ているので、可能な方は動画ライブ配信で楽しんでくださいね。