古都奈良の冬を彩る伝統行事・若草山焼き。澄んだ冬の空気により輝きを増す大花火・山肌一帯に広がる大迫力の炎は圧巻です。
この記事では日時スケジュール紹介とあわせ、毎年山焼き鑑賞をする地元民の私が、近鉄奈良駅から徒歩圏内&予約なしでいけるおすすめの観覧スポットを4つご紹介します。
若草山焼き2024はいつ?開催日時
若草山焼き2024日時・基本情報
- 開催日…2024(令和6)年1月27日(土)
- 開催場所…奈良公園内若草山一帯
- 荒天時中止
- 入山料…無料(山焼き当日のみ)
- 野上神社祭典(山麓のかがり火に点火)17:40~
- 大花火打ち上げ…18:15~
- 一斉点火開始時間…18:30~
若草山の山麓(山肌)に立ち入るのは通常有料&冬季は閉山ゲート閉鎖となっていますが、この山焼き当日のみ、メイン会場として無料でゲートをくぐり山肌部分に入山可能となります。
点火時間に松明で各所に点火後、徐々に燃え広がり炎が大きくなっていきます。その年の草の湿り具合により点火持続時間は異なりますが、例年火が付けば大体30~40分程度燃えています。(時間になると消防隊員さんが消火)
山火事かと勘違いするぐらい良く燃える年もあるニャンよ!
東京ドーム7つ分の面積を焼くという大迫力の若草山焼きは冬の古都奈良を彩る風物詩として多くの人に愛されている行事で、3年ぶりに開催された昨年2023年は17万人もの人が鑑賞に訪れたそうですよ!
若草山焼きの起源をサクッと予習
そんな若草山焼きですが、何のために行われる行事なのかご存知でしょうか。
古くから山を焼かないと若草山山頂にある鶯塚(うぐいすづか)古墳の霊が怒り悪いことが起こる、という言い伝えがあり放火が絶えなかった若草山。
江戸時代末期に見かねたお奉行様が東大寺や興福寺と共に公的行事として山焼きをはじめたのが、現在の若草山焼き行事の起源です。
その後、鎮魂慰霊・防火安全・世界平和など色々な願いを込めた伝統行事として定着し今に至ります。
奈良礼賛花火はどんな感じ?
山焼き前に行われる大花火では奈良県下最大級・約600発の花火が打ち上げられます。
冬場の花火は珍しいのもあってか、山焼きの前の花火を一番の楽しみに奈良を訪れる方々も多い印象。
(山焼きは点火してから燃え広がるまで時間がかかるためか遠くからでもチラっと見えることが多いからか、意外にも多くの方が花火終了後、会場から立ち去ります。)
2023年1月28日若草山焼きの大花火打ち上げ。
— 奈良の古民家暮らし (@naranokominka) January 29, 2023
山麓からはじめて観ましたが、迫力がありきれいでした! pic.twitter.com/3jJAUKfl11
澄んだ冬の空気により一層輝きを増す、若草山焼き当日の大花火。時間は15分ほどですが、昨年度は鹿型・スターマインや尺玉も打ち上がり見ごたえ抜群でした。
個人的にはスタンダードですがグラデーションの丸い花火が連発で打ち上げるのがきれいでした。特に麓からは花火が大きく見えるので迫力がありますよ。
花火・山焼き当日の日中は春日大社参道沿い・飛火野での「春日の大とんど」をはじめ、鹿せんべい投げ大会など様々な行事が催されるので、お時間のある方は合わせて楽しんでみてくださいね。
若草山焼き・おすすめ観覧場所
若草山焼きは山が見える場所ならどこでも見えますが、やはりよく見えるのはひらけた場所。
この記事では近鉄奈良駅を拠点として観光する方におすすめの駅から徒歩圏内でいける、予約なしでよく見えるおすすめ鑑賞スポット・下記の4つをご紹介します。
- 若草山山麓会場
- 浮雲園地
- 春日野園地
- 興福寺・猿沢池周辺
近鉄奈良駅からほど近い奈良県庁や奈良バスセンターの屋上もベスト鑑賞スポットですが、こちらは事前抽選による予約制となっているので、当選者以外は当日立ち入れないためご注意ください。
大和西大寺駅周辺だったら平城宮跡もおすすめニャ!ならファミリー屋上はらくだカード会員限定・当日整理券配布限定60組だから注意ニャ。
それでは、4つの一押し会場について詳しく見ていきましょう。
1.【若草山山麓会場】見ごたえナンバーワン!
山焼きを確実に楽しみたい方の観覧場所は、若草山の山麓会場一択です。山のふもとなので、大迫力の炎、そして花火を観覧することが可能!
もちろんその分人も多く混み合う場所ではありますが、山麓は広いのでイモ洗いにようにギューギューで歩けない!というほどにはなりません。
山焼きは開始後すぐに炎が燃え広がらず点火までに少し時間がかかります。
そのためか山麓会場では山焼き前の花火が終わると駅方面に向かって帰っていく人も意外と多く、山焼き中は割と人が減りのびのびと鑑賞できますよ。
山麓の山肌への入場は無料、出入りも自由ですが、出入口は春日大社側にある南ゲートのみで中央や東大寺側の北ゲートの方からは入場できないので要注意。
昨年、東大寺側から行ったら入口が遠すぎて入場に時間がかかって出遅れたニャ…
山肌の山麓会場内に入ると、同日に春日大社で行われている春日の大とんどで使われ時代行列によって運ばれた御神火が「かがり火」として一際明るく輝いています。
点火時間には、そのかがり火からとった松明の炎で、消防隊員の方等が山肌に点火する様子をしっかりと見ることができます。
昨日の若草山焼き。
— 奈良の古民家暮らし (@naranokominka) January 29, 2023
あまり燃えなかったのは残念でしたが、山焼きと寧楽音素描さん生演奏(奉納演奏)が最高でした! pic.twitter.com/q9H84Pvp2k
また山麓会場内(山肌)には特設ステージが設置されており、山焼き中は和楽器を用いた風流な生演奏が実施されます。
我が家も昨年鑑賞しましたが、音楽を楽しみながらの山焼き鑑賞もなかなか幻想的でよかったですよ。
ちなみに昨年度は山焼き当日雪が降り山肌が凍ったり濡れたりしていたため、前年ながら炎は燃え広がらず1割程度しか焼けませんでした。
しかし今年は当日曇り時々晴れの予報。暖冬気味で山焼きの前も雨雪の予報はないので、よく燃えるのではないかと密かに期待しています。
山肌で見学する人は、良く燃えたら風向きによっては火の粉や煙がすごいこともあるから注意が必要ニャ!
また、お土産店や宿が立ち並んでいる若草山前の道路沿いでの観覧も人気。昨年花火開始の時間ぐらいに到着したら、道路の端はすでに人で埋まっていました。
少し早めに訪れてベストスポットをとるのもおすすめです。好きなタイミングで立ち去りやすいのも嬉しいポイント。
山焼き当日は、こちらの通路沿いには屋台が多く出ますが山肌の山麓会場内は飲食禁止。この通路沿いの場所が取れれば屋台の味を楽しみ一杯やりながらゆっくりと山焼き鑑賞が楽しめそうですね。
通り沿いには自動販売機がたくさんあるけど、当日は大人気で特にホットドリンクは売り切れ続出ニャ!寒がりさんは山麓より手前でゲットしておいた方が安心ニャ。
昨年の山焼きの燃え具合や山麓会場の様子は下記記事にまとめたので、参考にしてください。
2.【浮雲園地】アクセスが良く山焼きも良く見えるので人気!
奈良観光を楽しみつつ、ライトに山焼きも鑑賞したい!
という方におすすめなのは浮雲園地(うきぐもえんち)。東大寺南大門前の参道・大交差点沿いからすぐにある広場が浮雲園地です。
若草山の山麓会場は見ごたえ抜群ですが駅方面や飲食店の多い観光中心地からは少し遠く、観光途中の方やディナーをお店でする予定の方、帰りの電車の時間が迫っている方にはタイムロスが著しく不向き。
若草山が良く見えるひらけた土地である浮雲園地はバス停も近く徒歩でも比較的アクセスが良く様々な観光スポットに歩いて移動しやすく、かつ迫力のある山焼きや花火も楽しめる場所です。
浮雲園地は眺めもおすすめですが、やはりアクセスが良い分花火や山焼きの時間帯は混雑するのでご注意を。
浮雲園地は参道沿いに広がる広場ニャ。参道には屋台やお土産店がたくさんあるからすぐに飲食物を買いに行けて便利なのも人気の理由の一つニャ。
3.【春日野園地】広くて人が少なめ、落ち着いて鑑賞可能
もっとゆっくり落ち着いて鑑賞したい!
という方は、浮雲園地の隣にある春日野園地(かすがのえんち)がおすすめ。
浮雲園地よりも東大寺大仏殿よりにある広大な原っぱが春日野園地です。夏に行われる「なら燈花会」でもそうですが、多くの観光客は浮雲園地で留まり歩いて数分離れた春日野園地まで足をのばしません。
浮雲園地に比べると少し広いのもありますが、かなり空いている印象。特によく見えるトイレ前あたりは人気なようですよ。
我が家は数年前子供が小さくまだベビーカーの頃、坂道の先にある山麓まで行くのがしんどくて春日野園地で鑑賞しました。
空いているのはもちろんでしたが、近すぎないので子供も怖がりませんでしたし、しっかりと山焼きも見れたので大満足でした。
4.【興福寺・猿沢池周辺】若草山近くに行く時間がない人向け
山焼き会場や浮雲園地付近まで行く時間はちょっとない!けど山焼きも少しでも良いから見てみたい!
という方には、近鉄奈良駅のすぐ近く、興福寺階段下にある猿沢池周辺もおすすめ。
ただし猿沢池周りでは花火は見えるようですが、山焼きは良く見えないのでご注意ください。
花火は五重塔とのコラボになってきれいらしいニャンよ!
花火の後に山焼きを鑑賞したい方は、散歩がてら少し登って興福寺五重塔方面~奈良国立博物館あたりまで移動してベストスポットを探してみてくださいね。
若草山焼き会場へのアクセス&当日の交通規制
公共交通機関・自転車でのアクセスは下記の通り。
バスの場合
1.市内循環(外回り) 東大寺大仏殿・春日大社前下車 徒歩約15分
2.春日大社本殿行 春日大社本殿下車 徒歩約5分徒歩の場合
近鉄「近鉄奈良駅」から東へ徒歩約30分
JR「奈良駅」から東へ徒歩約50分自転車をご利用の場合
大仏前交差点から東の「浮雲園地」前に駐輪場を設置しています。
※若草山麓に駐輪場はありません。
若草山焼き当日は、15時~20時頃まで交通規制が実施されます。(下図の赤い道路が車両通行禁止区域)
車の場合、若草山周辺に専用駐車場はありません。県営駐車場・春日大社駐車場はありますが、山焼き当日は周辺道路・駐車場共に混雑します。(下記参照)
<県営駐車場>
①県営登大路駐車場:6時00分~22時00分(24時間出庫可)
②県営高畑駐車場:7時30分~13時00分<民間駐車場>
○春日大社駐車場:7時30分~16時30分
※ただし、山焼きの日は16時には例年満車となっています。
※春日大社駐車場は、15時~20時00分のあいだ通行規制となる場合があります。
お車の方は駅周辺の民間有料駐車場に停めて、バスか徒歩で移動するのがおすすめです。
まとめ
雪&厳冬で鑑賞も大変だった上にあまり燃えなかった昨年とは違い、よく焼けるのではないかと期待される2024年度の若草山焼き。
昨年ほどの厳しい冷え込みは予想されていませんが、しっかりと防寒をして歩きなれた靴でお出かけして、良ければこの記事で紹介したおすすめスポットを訪れて花火・山焼き鑑賞を楽しんでくださいね。